韓国政府は23日、石油備蓄の市場放出を決めたアメリカと協調し、国が備蓄する石油の一部を放出する方針を表明しました。
アメリカのバイデン大統領は23日、国家石油備蓄から5000万バレルを市場に放出すると表明しています。
新型コロナウイルス禍からの経済回復で原油価格が高騰したことから、供給量を増やして価格を引き下げる狙いがあります。
これを受けて韓国政府は日本やインドなどとともに、国家石油備蓄の共同放出に協調することを発表し、具体的な放出量や時期は協議して決めるとしています。
国際社会が、石油備蓄の放出に乗り出すのは、リビア内戦が起きた2011年以降10年ぶりです。
ただ、石油備蓄の放出が原油価格の相場に与える影響は限定的という懐疑的な見方もあります。
サウジアラビアを中心とするOPEC=石油輸出国機構と、ロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」は、原油の大幅な増産には慎重な姿勢を示しており、今回の協調放出を牽制する形で現行の増産計画を見直すとの観測もあり、産油国と消費国の主導権争いにつながる懸念も出ています。
一方、アメリカが石油備蓄放出を発表したあとも、原油の先物価格は値上がりしています。