尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は16日午前、国会本会議で2022年度第2次補正予算案に関する施政方針演説を行い、補正予算案の早期成立に向けて国会の協力を呼びかけました。
10日の就任後初の施政方針演説で、尹大統領は、「われわれが直面している深刻な危機と挑戦のなかで、陣営や党派を超えた超党派的協力がかつてないほど強く求められている」と述べ、最大野党の「共に民主党」が国会で300議席のうち172議席を占めるなか、韓国社会が直面する危機を克服するためには超党派での協力が必要との考えを強調しました。
政府は12日、過去最大規模の59兆4000億ウォンの補正予算案を閣議決定し、新型コロナウイルスの流行に伴う防疫措置で打撃を受けた小規模事業者らに600万～1000万ウォンの損失補てん金を給付するとしていて、尹大統領は予算案の早期成立に向けた協力を求めました。
21日にソウルで開催される韓米首脳会談については、「バイデン大統領と、IPEF＝インド太平洋経済枠組みを通じたグローバル供給網の協力強化を議論する」としたうえで、「政府が主要国との経済安保協力を拡大し、国際ルールの形成を主導するためには、国会の協力が必要だ」と強調しました。
バイデン大統領は、今回の韓国訪問で、サムスン、SK、現代自動車、LGの4大グループのトップに会い、経済安保同盟の強化をはかるとみられています。
尹大統領は北韓問題について、「形式的な平和ではなく、北の非核化プロセスと南北間の信頼構築が好循環する持続可能な平和を作らなければならない」と訴えました。
北韓で新型コロナウイルスの感染が広がっていることに関しては、「新型コロナウイルスの脅威にさらされている北韓住民への支援を惜しんではならない」と強調し、北韓当局が応じるなら、ワクチンを含む医薬品、医療器具を提供する用意があると述べました。
尹大統領の施政方針演説は就任六日目に行われ、これは歴代大統領のなかで最も早いものです。