尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は、今月下旬にスペインのマドリードで開かれるNATO＝北大西洋条約機構首脳会議に合わせて、日本の岸田文雄首相と首脳会談を開催する可能性について、「確定されたものはない」と明らかにしました。
尹大統領はこの日午前、ソウル龍山（ヨンサン）にあるの大統領執務室に出勤する際に、日本のメディアがNATO首脳会議での韓日首脳会談は開催しない方向で調整に入ったと報じたことについて質問を受け、「外交問題は決まる前までは、確認が難しい」と答えました。
日本の産経新聞は15日、複数の政府関係者の話を引用し、日本政府がNATO首脳会議での韓日首脳会談は行わない方向で調整に入ったと報じました。
その背景として、韓国が元徴用工問題などで解決策を示していないうえ、独島周辺で海洋調査を行っており、環境が整っていないと判断したと伝えました。
また、岸田首相の周辺は、「韓国はこれまでも約束を守らなかった歴史があり、日本が前のめりになることはない」と話したということです。
一方、尹大統領が韓国の首脳として初めて出席するNATO首脳会議に合わせて、韓日米3か国の首脳会談が開催されることが有力視されていることがわかりました。
今月下旬に韓日米首脳会談が実現すると、文在寅（ムン・ジェイン）前政権初期の2017年9月に国連総会の期間中に開かれて以来、4年9か月ぶりとなります。
文政権当時、慰安婦合意の破棄や元徴用工の賠償問題などで韓日関係が急激に悪化し、3か国による首脳会談が開かれませんでしたが、今回開催が実現することで、過去東アジアの安全保障を支えていた「韓日米3か国協力」の復元が本格化されるとの観測が出ています。