北韓が近く核実験に踏み切る可能性が高いとされるなか、13日に行われたアメリカのサリバン大統領補佐官と中国の外交トップ、楊潔篪政治局委員との会談で、サリバン氏は、中国の積極的な役割を求めたことがわかりました。
サリバン氏は現地時間の16日、アメリカのシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)での会合で、先の楊潔篪氏との会談で話し合われた内容を紹介しました。
それによりますと、サリバン氏は、4時間半に及ぶ楊潔篪氏との会談で、北韓が核実験を準備していることへの懸念を伝えたということです。
また、サリバン氏は、国連安全保障理事会による北韓への制裁強化をめぐる採決に中国が拒否権を発動したことについて懸念を示したうえで、北韓は「前提条件なしでの対話」に応じるべきだと強調し、これに向けた中国の協力を求めたということです。
国連安全保障理事会では先月26日に対北韓制裁を強化するアメリカ主導の決議案が中国とロシアの拒否権行使により否決されています。
アメリカは北韓に対して「前提条件なしでの対話」を求め、中国にも協力を呼びかけていますが、中国は制裁緩和や韓米合同軍事演習の中止などアメリカ側の措置が先に取られるべきだとしていて、北韓への対応をめぐる温度差があらわになっています。
こうしたなか、バイデン大統領と習近平国家主席が近く電話会談する可能性に注目が集まっています。
アメリカのブルームバーグ通信は16日、複数の関係者の話として、バイデン大統領と中国の習近平国家主席の電話会談について、夏ごろの開催に向けてアメリカ側が調整を進めていると報じました。