尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は10日、政府ソウル庁舎の中央災害安全状況室で、首都圏などを襲った記録的な大雨の被害状況点検会議を開き、大雨により死者が出るなどの被害が発生したことについて、「犠牲者の冥福を祈り、不便を強いられた国民に対し申し訳ない気持ちを政府を代表して表明する」として謝罪しました。
尹大統領が国民に向けて謝罪するのは5月の就任以来初めてです。
尹大統領はまた、迅速な被害復旧や社会的に弱い階層に対する支援を指示し、ほかの地域でも大雨による被害が発生する可能性に備えて、事前に対策を取るよう指示しました。
中央災害安全対策本部によりますと、首都圏と東部の江原道(カンウォンド)で8日から降り続いた大雨により、10日午前10時までに9人が死亡、7人が行方不明となっています。
地域別では、ソウルで5人、京畿道(キョンギド)で4人、江原道で1人が亡くなり、ソウルで4人、京畿道で3人が行方不明となっています。
また京畿道では17人のケガ人も出ています。
住宅の損壊など被災者はソウル市と京畿道を中心に398世帯の570人に上り、また724世帯の1253人が一時避難しています。
公共インフラは、ソウルの10か所で線路が冠水したほか、ソウルと京畿道で合わせて6件の鉄道施設の被害がありました。
民間施設では、住宅・店舗の浸水が2676棟で、このうちソウルが2419棟と、ほとんどを占めています。
また、ソウルと京畿道では、8日と9日の2日間に輸入車1900台を含むおよそ7000台の車両が水没し、損害保険大手5社に連絡があった損害額は合わせて774億ウォンと推定されています。