国連総会のためアメリカを訪れている尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は、バイデン大統領と両国間の懸案事項について短く歓談しました。期待していた正式な首脳会談は実現しませんでした。
大統領室によりますと、尹大統領は21日、ニューヨークで開かれた感染症対策のための資金調達について協議するバイデン大統領主催の「グローバルファンド増資会合」に出席し、会合後、会場でバイデン大統領とおよそ50秒間、立ち話をしました。
尹大統領は話の途中、バイデン大統領の肩に触れるなど、親近感を表したということです。
韓米は当初、国連総会に合わせて首脳会談を開く方向で調整を進めていましたが、バイデン大統領が国内の政治日程などを理由にニューヨークでの滞在を短縮したため、正式な韓米首脳会談は見送られました。
大統領室によりますと、尹大統領はアメリカ国内で生産されたEV＝電気自動車だけに優遇税制を適用するとした「インフレ抑制法」をめぐる韓国側の懸念を説明したあと、この法律を適用する際に、韓国側の懸念が解消されるよう、アメリカ政府の協力を求め、バイデン大統領は「韓国側の懸念は承知している」としたうえで、韓米間で引き続き協議を続けていく考えを示したということです。
また両首脳は、必要に応じて、金融市場の安定のため流動性の供給（liquidity facilities）を実行するため、緊密に協力していくことで一致しました。
このほか、両首脳は、北韓の挑発に対して共同で対策を講じるため両国間の連携をさらに強化することを確認しました。