アメリカの原子力関連企業ウェスティングハウスは21日(現地時間)、ワシントンの連邦地方裁判所に韓国電力公社と子会社の韓国水力原子力を相手取って訴訟を起こしました。
ウェスティングハウスは、韓国水力原子力がポーランドの原発建設プロジェクトに入札した次世代加圧軽水炉「APR1400」は、自社の技術で作られたものであり、韓国水力原子力が知的財産権を侵害したと主張しています。
また、「APR1400」に使われている技術は、連邦法により海外への無断での移転が禁じられていて、アメリカ政府の許可なしに韓国企業が第3国に輸出することはできないとしています。
2043年までに合わせて6基を建設することになっているポーランドの原発事業の受注をめぐって、韓国とアメリカが競合しているなか、韓国水力原子力に対し法的に歯止めをかけようとしているものとみられます。
また、ポーランドだけでなく、サウジアラビアやチェコなど、韓国水力原子力が原発事業を受注したほかの国々についても言及し、けん制しました。
これを受けて、韓国水力原子力は、2009年にUAE=アラブ首長国連邦に原発4基を輸出する際、ウェスティングハウスの技術を使用し、技術料を支払ったと明らかにしました。その後、国内で新古里(シンコリ)やハヌル原発を建設する過程で技術を国産化し、韓国型原発の「APR1400」を開発したと主張しています。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とアメリカのバイデン大統領は、5月に開かれた首脳会談で、第3国への原発輸出など原子力分野での協力に合意しています。このため、今回の企業間の訴訟への対応をめぐって、韓国政府の出方が注目されます。