アメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席が、初めて対面での首脳会談を開き、北韓による挑発や台湾問題などの懸案について議論しました。
米中首脳会談は、韓国時間の14日午後6時半ごろからおよそ3時間にわたって開かれました。バイデン大統領は中国に対し、北韓の挑発を抑制するために役割を果たしてほしいと要請しましたが、習主席はとくに明確な立場は示さなかったということです。
バイデン大統領は、北韓が今後も挑発を続ける場合、追加の防御措置をとるという点を習主席に伝えたということです。措置の詳細は明らかにされていませんが、11日にホワイトハウスのサリバン国家安全保障担当大統領補佐官が米軍の戦力強化について言及した内容と重なるものとみられます。
両首脳はこのほか様々な分野について議論を交わしましたが、懸案の台湾問題をはじめ対立が激しさを増していることもあり、ほとんどの議案において平行線をたどりました。
台湾問題について、現状を維持すべきだというバイデン大統領の主張に対し、習主席は、台湾問題は米中関係における第一の「レッドライン」、越えてはならない線だとし、アメリカは関与すべきではないとする考えを示しました。
一方、ウクライナ情勢をめぐっては、米中の首脳は、核兵器の使用に反対し平和的に解決すべきだという点で一致しました。
平行線をたどった両国でしたが、首脳会談の後続措置としてブリンケン国務長官が中国への訪問を決めるなど、対立緩和の可能性は開かれているとの見方が出ています。