北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が公の場に初めて娘を連れて登場し、注目が集まっています。
北韓のメディアは19日、ICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17」の試験発射が18日に行われ、金委員長が妻と娘とともに視察したと報じ、金委員長と手をつなぐ娘の写真を公開しました。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」や朝鮮中央通信が配信した写真には、白い上着と赤い靴を身につけた11~12歳と推定される少女が、金委員長と手をつないで、展望台からミサイルの発射を見守る姿が写っています。金委員長と李雪主(リ・ソルジュ)夫人と並んで微笑んだりする様子もみられます。
金一族が世襲政治を行う北韓では、次の指導者の特定につながる可能性がある子どもの情報が公表されるのは異例のことで、北韓のメディアが金委員長の娘の存在を報じるのは、今回が初めてです。
金委員長には子どもが3人いて、1人目は2010年、2人目は2013年、3人目は2017年ごろに誕生したと推定されています。今回公表されたのは、2人目の娘「キム・ジュエ」さんとみられています。
写真をテレビで公開したのは、家族と一緒に見物できるくらい「火星17」が安心して運用できる兵器であることをアピールする狙いがあるとみられています。
また、核兵器が次の世代に移っても存在し続ける戦略兵器であることを世界に示すとともに、住民の暮らしを顧みずに核兵器の開発に熱中する独裁者としてのイメージを和らげる狙いもあるとみられています。