去年、韓国では、PM2.5=微小粒子状物質の濃度が高い日が、2015年に観測が始まって以来最も少なかったことがわかりました。
韓国では、PM2.5の濃度による大気汚染のレベルを4段階に分けています。大気中のPM2.5の1日の平均濃度が1立方メートルあたり15マイクログラムまでは「良い」、16~35マイクログラムは「通常」、36~75マイクログラムは「悪い」、76マイクログラム以上は「非常に悪い」としています。
環境部によりますと、去年、韓国でPM2.5の濃度が「悪い」以上だった日は、おととしより6日少ない17日で、全国単位での観測が始まった2015年以降では最も少なくなっています。
PM2.5の濃度が「悪い」以上だった日は、2015年と2016年にそれぞれ62日となったあと毎年減少し、新型コロナの流行が本格化した2020年からは20日台に減っていました。特に、去年は、「非常に悪い」日がありませんでした。
去年一年間のPM2.5の平均濃度は、1立方メートルあたり18マイクログラムで、観測が始まって以来、最も低かったおととしと同じでした。2015年と比べると31%下がっています。
環境部は、去年、大気汚染が全般的に改善した理由として、政府の「PM2.5季節管理制度」が成果をあげたことや、中国でPM2.5の濃度が低下したこと、ソウルなど中部地方の降水量の増加、そして黄砂・大気停滞日数の減少を挙げています。
季節管理制度とは、PM10やPM2.5の濃度が大幅に上昇する12月1日から翌年の3月31日にかけて、都市部での交通規制や、石炭火力発電所の稼動制限など、浮遊粒子状物質の削減対策を集中的に実施するものです。2019年から実施されています。
環境部によりますと、去年1月から11月までの中国のPM2.5の平均濃度は1立方メートル当たり28マイクログラムで、2015年の半分以下に下がっています。