船舶が航行時のバランスをとるために船内に貯めておく海水は、「バラスト水」と呼ばれています。韓国のメディアが、日本の福島県周辺で注入されたバラスト水を通じて、放射能汚染された海水が国内に流入した可能性があると報じたことについて、海洋水産部は、すでに適切な管理を行っており、放射能汚染水の流入を防ぐために今後も最善を尽くすと強調しました。
韓国の国民日報は31日、2017年9月から去年末まで、福島県と周辺の5県(宮城、青森、岩手、茨城、千葉)で注入されたバラスト水519万9935トンが国内で排出されたと報じました。
これについて海洋水産部は、福島など6県でバラスト水を注入し、国外で交換せずに国内に入り排出した船舶は519隻で、排出量はおよそ321万トンだと明らかにしました。
このうち、福島第一原発から近い福島と宮城で注入したバラスト水を国内で排出した船舶は37隻で、排出量はおよそ12万トンだということです。
海洋水産部によりますと、この37隻のうち、6隻に対して標本調査を行ったところ、検出された放射能濃度は、韓国の沿岸の水と同じ水準だったということです。
福島原発の汚染処理水は、ことしの春から夏をめどに放流が開始されると見込まれていますが、海洋水産部は、この時期以降は、福島周辺の6県でバラスト水を注入した場合、韓国の管轄水域の外側でバラスト水を交換したあとに入港するよう義務づけるとともに、すべての船舶に対して入港時に放射能汚染の検査を行う計画だと明らかにしました。