アメリカのイランに対する経済制裁の一環で韓国に残ったままになっていたイランの資産は、アメリカとイランの合意により凍結が解除され、スイスを経てカタールに送金されました。イランは、凍結されていた間にウォンの価値が下がり損害を受けたとして、韓国を相手取って訴訟を起こす方針だと明らかにしました。
外交部は19日、イランに対する経済制裁の一環として韓国で凍結されていたイランの資産が、関連国間の緊密な協力により送金されたと発表しました。
これに先立って、アメリカとイランは先月、カタールの仲裁の下、人道的な用途で使うという条件で、韓国に残っていたイランの資産の凍結を解除し、それぞれが拘束している相手国の国民を解放することで合意しました。
トランプ政権は2019年、イランが核合意を破棄したことに対して制裁を課し、韓国の中央銀行に預けられていたイランの原油輸出代金を凍結しました。
このため、韓国はイラン核合意の当事国ではありませんが、イランの海外凍結資産のなかで最大規模とされる、およそ60億ドルが韓国の銀行に残ったままになっていました。
一方、イランは資産が凍結されていた間にウォンの価値が下がったことにより、凍結資産の総額が1割ほど目減りしたとして、韓国を相手取って訴訟を起こす方針だと明らかにしています。
イランの原油代金が韓国に凍結された2019年当時の為替レートは、1ドル当たり1100ウォン台でしたが、現在は1ドル当たり1300ウォン台となっています。