過去に自治体のトップを務めていた際の背任や第三者供賄の容疑で検察が逮捕状を請求している、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対する逮捕同意案が、国会で可決されました。
裁判所が逮捕状の妥当性を認めた場合、李代表は拘置所に収監されることになります。
国会は21日の午後、本会議を開き、李代表に対する逮捕同意案について、無記名投票による採決を行いました。
その結果、在籍議員298人のうち295人が出席したなか、賛成149票、反対136票、棄権6票、無効4票となり、逮捕同意案は可決されました。
李代表に対しては、京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市の市長時代に携わった都市開発事業をめぐる背任の容疑や、京畿道(キョンギド)の知事時代に下着メーカー大手・サンバンウルグループに北韓へ巨額の資金を提供させた第三者供賄の容疑がかけられています。
現職の国会議員である李代表には不逮捕特権があり、会期中の逮捕には国会の同意を得なければならず、法務部は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の承認を得て、逮捕同意要求書を19日、国会に提出していました。
李代表をめぐっては、ことし2月にも別の容疑で逮捕同意案が出されましたが、この時の採決では、賛成が反対を1票上回ったものの、可決に必要な投票数の過半数となる149票には届かず、逮捕同意案は否決されています。
李在明代表は採決の前日に、フェイスブックに「逮捕同意案の可決は、政権の意向に沿った検察の工作捜査に翼を与えるものだ。検察独裁の暴走機関車を国会の前で止めてほしい」と書き込み、事実上、党の所属議員に否決を呼び掛けました。
李代表は先月31日から尹政権への抗議としてハンガーストライキを行っており、今月18日に体調が悪化して病院に搬送されましたが、点滴は受けているものの、食事などは一切拒んでいるということです。