大型で強い台風11号が韓国南部を通過したのにともなって、浦項市を中心に2人が死亡、10人が行方不明になっています。
台風11号は、6日午前１時ごろ済州島を通過して、午前4時50分ごろ慶尚南道（キョンサンナムド）巨濟（コジェ）市付近から韓半島南部に上陸し、午前7時10分ごろ蔚山（ウルサン）市沖合へ抜けていきました。
この台風で、これまでに浦項（ポハン）市 では、豪雨と強風を避けて避難する途中、増水した川に流され1人が死亡、9人が行方不明になっています。
また慶州でも１人が死亡、蔚山では１人が行方不明なっています。
なかでも6日午前9時11分ごろになって、浦項市南区にあるマンションの地下駐車場に車を出しに行ったきりで、そのまま行方不明になった人が7人いることがわかりました。
同じ浦項市南区では、別の1人も地下駐車場に車を移動させるため自宅を出たきり連絡が途絶えたという届け出があり、いずれも地下の排水作業を急ぐとともに捜索を続けています。
また京畿道（キョンギド）では、強風で落ちた看板に当たって1人がけがをしました。
済州道（チェジュド）や京畿道では、住宅や商業施設で浸水や損壊が5件確認されたほか、道路3か所を含め、公共施設6か所が浸水や損壊しました。
また済州道、慶尚南道、釜山（プサン）市、蔚山市などで、160件あまりの停電が発生しました。
農業関係では、済州道、慶尚南道、全羅南道（チョンラナムド）などで合わせて1300ヘクタールあまりで、農作物の冠水や浸水、落果の被害を受けました。
気象庁によりますと、台風11号は、これまで韓半島に上陸した台風の中で、中心気圧では3番目、風速では8番目に強い台風だったということです。