韓国の5月の経常収支が1か月ぶりに黒字を回復したことがわかりました。
韓国銀行が7日、公表した国際収支統計（暫定）によりますと、韓国の5月の経常収支は22億9000万ドルの黒字を記録しました。
1か月ぶりに黒字を回復しましたが、黒字幅は前の年の同じ月に比べて半分以上減りました。
新型コロナウイルスの感染拡大でモノの輸出が減ったことがもっとも大きな要因です。
これについて韓国銀行は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で世界の貿易が冷え込み、石油製品や乗用車など主な輸出品目の出荷や価格が下落したためとみています。
輸入も、原油安の影響で3か月連続で減少しましたが、輸出の減少幅が大きかったため、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の黒字は、前の年の同じ月に比べて30億ドル減りました。
これに対して、サービス収支の赤字幅は、旅行や運送収支が改善したことから、4億7000万ドル縮まりました。
しかし、経常収支を左右する貿易収支が悪化したため、韓国銀行が見込んでいた「ことしの経常収支570億ドル」の達成は難しいとみられます。
韓国銀行は、「新型コロナウイルスの状況が収まっておらず、原油安や米中貿易摩擦の再燃などで、予断できない」としながらも、先月の輸出については前向きに評価しました。