尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、新しい国家捜査本部長に任命した鄭淳信(チョン・スンシン)氏について、息子の校内暴力問題が浮上したとして、25日、任命を取り消しました。
鄭氏は前日の24日に、国家捜査本部長に任命されていました。
国家捜査本部は、全国の市・道の警察庁や警察署、捜査部署に所属する公務員を指揮監督するほか、国家情報院から移管された北韓関連の事件も捜査します。
鄭氏は、ソウル中央地方検察庁の人権監督官、昌原(チャンウォン)地方検察庁の次長検事などを歴任していて、警察の捜査を統括する国家捜査本部長に検事出身の人物が任命されたのは、これが初めてでした。
今回任命取り消しの理由となった問題は、有名私立高校に通っていた鄭氏の息子が、2018年に寮の同じ部屋の同級生におよそ8か月間、言葉の暴力を繰り返し、被害を受けた学生が自殺を図ったため、学校暴力対策自治委員会から転校の処分を受けたというもので、KBSは、事件当時の報道にくわえ、鄭氏が国家捜査本部長に任命された24日にも、あらためて事件について伝えました。
2018年当時、鄭氏は、処分が重すぎるとして自治委員会に再審を求めたほか、転校処分を不服として行政訴訟を起こしました。
2019年に、大法院は、転校処分は妥当だという判断を示しました。
政府高官の人事については、法務部の人事情報管理団が事前検証を行ったあと、大統領室が最終的に検証します。
尹政権のずさんな人事検証への批判が高まるなか、大統領室は検証過程で問題を察知できなかったことは残念だとして、制度の改善策を講じるとしています。