韓半島情勢

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核兵器関連一般事項

  • 核分裂、核融合など、核反応によって発生するエネルギーを破壊または殺傷の目的で利用する兵器。
    核反応をどのように利用するかによって、原子爆弾のような核分裂兵器と水素爆弾のような核融合兵器の二つに大別できる。その他、核融合の過程で発生する大量の中性子を利用して核分裂を起こす原理を利用した中性子爆弾もある。

    原子爆弾

    ウラニウム235、プルトニウム239、ウラニウム233の原子核は、中性子を吸収すると核分裂を起こす性質があり、核分裂性物質と呼ばれている。核分裂が起こるときエネルギーが放出され、新しい中性子ができるので、一定の核分裂性物質を集めると、連鎖的に核分裂が起こる。その量を臨界量と言う。原子爆弾は核分裂性物質を臨界量以下の複数の部分に分けておき、これを急速に合体させることで臨界超過状態にし、短い時間に大量のエネルギーを放出させて爆発を引き起こすようにしたものだ。

    水素爆弾

    水素同位元素のうち重水素や三重水素など、比較的軽い原子核の核融合反応で放出されるエネルギーを利用した爆弾。核融合反応を引き起こすためには数百万度以上の高温状態が必要なので、原子爆弾が爆発する際の高い温度を水素爆弾の核融合反応を引き起こす媒介として利用する。つまり水素爆弾は核分裂と核融合の二つの反応によって爆発する。

    中性子爆弾

    核融合反応によって発生する大量の中性子を核分裂させ、さらに威力を大きくした爆弾で、核分裂・核融合・核分裂の3段階を経ることから3F爆弾と呼ばれる。核分裂による「死の灰」である残留放射性生成物が多く発生するので「汚い水素爆弾」とも呼ばれる。

  • 核燃料として使用される物質。核燃料として使用されるのは一般的にウラン、プルトニウム、トリウムのうちの一つ、またはそれらの組み合わせである。核兵器に使う核物質は主にウラニウムとプルトニウムだ。

    ウラン

    1789年にドイツのクラプロートが元素としてのウランを発見した。1781年に土星の外側で発見された天王星(Uranus)にちなんで名前がつけられた。ウランにはこれまで14種類の人工同位元素が見つけられているが、すべて放射性物質だ。天然同位元素は234、235、238の3種類があるが、いずれも半減期が長い。

    ウランは、カナダ、南アフリカ共和国、アメリカ、ロシア、オーストラリアなどに埋蔵されているが、オーストラリアに世界全体の70%が埋蔵されている。核分裂反応を連鎖的に起こすことで原子力発電などに使用する。原子爆弾は連鎖核分裂反応を高度に集積された状態で起こすことで大きなエネルギーを発生させる原理を利用している。

    原子力発電に利用するのはウラン235だ。1グラムのウラン235から石炭3トンに相当するエネルギーを得ることができるが、ウラン235は天然の鉱石状態での存在比が0.72%に過ぎず、核燃料として使用するために濃縮して純度を高めなければならない。一つの核兵器を作るためには15キロのウラン235が必要だ。

    プルトニウム

    1940年にアメリカの化学者グレン・T・シーボーグ博士、エドウィン・M・マクミラン、J・W・ケネディなどが、ウランに重水素を衝突させる方法で合成・分離した人工元素。もともと天然では存在しないとされていたが、1942年にウランの中に微量が含まれていることが分かった。銀白色の金属で、核分裂の重要なエネルギー源で、原子力爆弾や水素爆弾の材料になる。1974年にインドが平和目的の原子力施設を利用してプルトニウムを抽出して核兵器を製造したため、国際社会の監視が厳格になった。純度の高いプルトニウム5~10キロで原子爆弾を製造できる。プルトニウムは人体に吸収されると、がんを引き起こすなど危険性が高く、これをエネルギー源として平和的に利用すべきかどうか論議が続いている。

  • 原子力を発電に利用することや核兵器の製造に利用するのは同じ原理なので、原子力発電を応用すればいくらでも核兵器を製造できる。原子力発電で使用した核燃料を再処理すれば核兵器の原料になる。(再処理)そのため国際社会は原子力の利用を厳格に監視している。(核拡散防止条約、国際原子力機関)
  • 石油や石炭などの化石燃料は火をつけておけば酸素があれば燃焼する。しかし、核燃料は原子炉という特殊な装置がなければ燃焼させることができない。また化石燃料は燃焼してしまえばそれで終わりだが、核燃料は使用したウランを濃縮すれば再び燃料として使用できる。このため使用済み核燃料棒の処理は廃棄するか、または濃縮して再び使用するかのどちらかだ。

    核燃料は放射性物質を排出するのでそのまま廃棄することができない。放射性物質の流出を防ぐための特別な処理をする必要がある。濃縮して再使用する場合は特殊な設備が必要だ。こうした過程を再処理という。使用済み核燃料の再処理設備は国際社会の厳格な監視と統制を受ける。再処理設備ではプルトニウムと高濃縮ウランを作ることができ、それは核兵器の原料になるためだ。再処理施設は平和的に利用すれば非常に生産的な設備だが、核兵器製造に利用する場合は想像を絶する破壊的な設備になる。非核化を宣言した韓国は核燃料の再処理施設を持っていない。
  • 濃縮ウランは、核分裂性のウラン235の濃度を高めたもの。天然ウランの中には核分裂を起こすウラン235が0.7%しか含まれていない。このため核燃料として使用するには濃度を高める必要がある。濃縮過程を繰り返すことで、濃度は段階的に高くなる。濃度が20%を超えると高濃縮ウランという。ウラン濃縮はガス拡散法や遠心分離法、レーザー法などの方法がある。どの方法であれ、ばく大な施設と電力が必要とされる。原子力発電に必要なウランの濃度は3~5%程度なので、濃度が20%以上の高濃縮ウランを保有しているのは、核兵器を開発する意図があるとみなされる。
  • 国際社会が核兵器保有国として公認している国。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国が核クラブに属している。 これらの国が何らかの形で集いを結成しているわけではない。国際法上これらの国以外の国は核兵器の開発や保有が禁じられている。しかし5カ国以外にもインド、パキスタン、イスラエルが核兵器を保有していることが既定事実となっており、核兵器を保有している国は8カ国だ。その他、南アフリカ共和国は一時期、核兵器を保有していたが廃棄し、ソビエト連邦の解体で独立したカザフスタン、ウズベキスタン、ベラルーシがソ連が保有していた核兵器を一時的に保有していたが、ロシアに返納した。

    核保有国からなる核クラブの5カ国は、新たな核保有国の出現を防止するため国際原子力機関 (☞ IAEA ), を創設し、核兵器を保有していない国の核物質の現況を管理し、査察を行うことも可能にした。また核拡散防止条約を通じて、核兵器を保有していない国の核兵器保有や開発を禁じ、核兵器開発の可能性を封鎖している。核兵器保有国として公式に認められていない国からは、核兵器による軍備の格差が生じると批判する声も出ており、一部の国は核兵器の開発に努めているとみられる。 (☞核兵器保有国現況)
  • 正式の名称は「核兵器不拡散に関する条約」。 「核兵器保有国」の「核兵器非保有国」に対する、核兵器とその管理または核兵器製造に対する援助の提供禁止、「核兵器非保有国」の核兵器製造、開発、実験、取得などをすべて禁止する内容が含まれている。核拡散、すなわち核兵器保有国の増加を防止することを目的としている。その目的を達成するため、核兵器非保有国は国際原子力機関(IAEA)の査察を受けるなどの義務を規定した保障措置協定を締結する義務を負う。

    世界の大部分の国が加盟しているが、フランスと中国はアメリカとソ連が中心となって主導していると反発して、最初から加盟せず、インド、パキスタン、イスラエル、キューバなども加盟していない。

    韓国は1975年4月23日に正式批准国になり、北韓は1985年12月に加盟した。北韓はその後、特別査擦の要求に反発して1993年に脱退を宣言したが、実際の脱退は保留し、核疑惑が表面化した2003年1月に再び脱退を宣言した。
  • 原子力を平和的に利用するために、これを制限、管理するための国際機関。
    1953年12月8日、第8回国連総会でアメリカのアイゼンハワー米大統領が提案し、1956年、80カ国が署名して、1957年7月29日に発足した。

    世界の平和、保健、繁栄を促進し、原子力の軍事利用を防ぐため、
    △原子力の平和利用を促進、
    △保健安全上の基準提示、
    △開発途上国への技術援助、
    △科学技術情報と専門家の交換、
    △放射能保護施設の設置・管理などを担当する。

    また、核拡散防止条約(NPT)の規定にもとづいて、加盟国と保障措置協定を締結し、査察、管理などを担当する。国連の政策事業の促進、国連に対する事業報告の提出などを行うが、国連の専門機関ではない。韓国は1957年、北韓は1974年に加盟した。本部はオーストリアのウィーンにある。
  • 核施設、核物質の保有現況についての調査活動。核拡散防止条約加盟国を対象に国際原子力機関(IAEA)が行う。臨時査察、通常査察、特別査察がある。

    臨時査察

    核拡散防止条約加盟国がIAEAに申告した核施設と核物質の現況が実際と一致しているかを確認するために行う。

    通常査察

    核物質と核施設の変動を点検するために定期的に行う査察で、臨時査察の結果、加盟国の核物質と核施設の現況が申告内容と一致する場合に行う。核物質の在庫調査、封印と監視装備の点検などを年3~4回実施する。

    特別査察

    臨時と通常査察で疑惑がある場合に行う。臨時査察の結果、核物質と核施設の現況が申告内容と一致しない場合、または通常査察を通じて疑わしい事実が発見された場合に、核開発の状況や核兵器の保有について調査する。1992年に国際原子力機関が北韓に対して特別査察を要求したのが代表的なケースだ。北韓は90グラムのプルトニウムを抽出したと申告したが、北韓の申告内容とは違って、少なくとも数キロのプルトニウムを抽出したと推定できる証拠が出てきたため、国際原子力機関は特別査察を要求した。北韓はこうした要求を受け入れず、1993年に核拡散防止条約からの脱退を宣言し、核危機が表面化した。