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金正恩委員長ソウル訪問は来年か

今週のキーワード2018-12-16

ⓒKBS News

金正恩国務委員長のソウル訪問が来年に持ち越される見通しです。

大統領府青瓦台の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は10日、金正恩国務委員長のソウル訪問について、「年内はかなり厳しい状況となった。年内実現が難しければ、来年でも問題はない」と述べ、年内ソウル訪問が厳しい状況だとする認識を示しました。

金正恩国務委員長のソウル訪問については、諸般の事情から年内実現は難しいのではないかとする見方がありましたが、大統領府青瓦台の関係者が明示的に言及したのは初めてです。

9月の南北首脳会談で採択された平壌共同宣言には、「金正恩委員長は文在寅大統領の招請により、近くソウルを訪問することにした」との内容が盛り込まれ、韓国政府はこれまで金正恩委員長の年内ソウル訪問に意欲を示していました。

ただ、米朝非核化交渉が停滞する中、金正恩委員長のソウル訪問に向けた動きはこれといった進展がなく、文在寅大統領は最近、「訪問の時期に執着する必要はないと考えている」と述べ、年内のソウル訪問は難しいのではないかとする観測が出ていました。

もちろん金正恩委員長さえ決断すれば、年内のソウル訪問を実現させることはできますが、12月17日は金正日国防委員長の7周忌で、年末でもあり、韓国としても受け入れ準備がありますので、この時点では年内訪問は時間的にも無理があります。

金正恩委員長のソウル訪問は米朝非核化交渉がカギを握っているといえるでしょう。

北韓が金正恩委員長の年内ソウル訪問に応じなかったのは、何よりも非核化交渉が停滞する中で金正恩委員長がソウルを訪問しても具体的な成果は期待できないとの

判断があったもようです。

史上初めて北韓の最高指導者がソウルを訪問することになれば、目に見える成果を収める必要がありますが、米朝高官級会談の再開や2度目の米朝首脳会談の目処が立っていないこの時点では具体的な成果は期待できないのが事実です。

北韓としては金正恩委員長が年内にソウルを訪問してもこれといったメリットがなく、ソウル訪問を急ぐ理由はなかったわけです。

文在寅大統領は、「2度目の米朝首脳会談が開かれたあとに金正恩委員長がソウルに来れば、さらに良い結果をもたらすかもしれない」とも語りました。

米朝間で非核化に向けて一定の進展を図ったうえで金正恩委員長がソウルを訪問するのも選択肢の一つとして考慮していることを示したものです。

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