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2回目の米朝首脳会談、合意なしで終わる

今週のキーワード2019-03-03

ⓒYONHAP News

ベトナムのハノイで2回目の米朝首脳会談が行なわれました。

トランプ大統領と金正恩国務委員長は、非核化や米朝関係改善などについて協議しましたが、合意文書には署名せずに会談は、事実上物別れとなりました。

1日目の27日、ハノイの高級ホテル「ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイ」で1対1の会談が行われ、会談のあと、夕食を共にしました。

2日目の28日は午前8時55分から1対1の会談が行われ、午前11時40分過ぎから閣僚や側近らが加わった拡大会合が行なわれました。

金正恩委員長は拡大会合の席で記者の質問に応えて、「非核化の意思がなければ今この場所にいない」として、非核化の意思を表明しました。

両首脳はこの時点まで共に「良い結果になるだろう」として、成果に期待を示していました。

両首脳は拡大会合のあと、昼食会を経て、合意文書に署名する予定でしたが、日程は急変しました。

拡大会合は予定時間を過ぎても終わらず、昼食会は取り消されました。

両首脳は午後1時半ごろ、会談が行われた会場を後にし、それぞれの宿泊先のホテルに戻りました。

ホワイトハウスのサンダース報道官は、会談について、双方は合意事項の取りまとめに至らなかったと説明、午後4時に予定されていたトランプ大統領の記者会見を2時間繰り上げて午後2時に行なうと発表しました。

こうして2回目の米朝首脳会談は事実上の決裂という予想外の結果に終わりました。

トランプ大統領は記者会見で、「基本的に北韓は全面的な制裁解除を要求したが、

我々はその要求に応じることが出来なかった」と述べ、北韓側が寧辺以外の核関連施設の廃棄に応じる姿勢を見せなかったことが理由だと説明しました。

一方、北韓の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、1日未明、ハノイで記者会見を開き、「われわれが求めたのは全面的な制裁解除ではなかった」と、アメリカの主張に反論しました。

北韓の李容浩外相は1日午前0時15分ごろから、宿泊先のホテルで記者会見を開き、「われわれが求めたのは一部の解除だった。具体的には11の国連安保理決議のうち、2016年から2017年まで採択された5件、なかでも国民生活に支障をきたしている項目だけを先に解除すれば、寧辺(ヨンビョン)にあるプルトニウムとウランを含むすべての核物質の製造施設を、アメリカの専門家の立会いのもとに廃棄すると提案した。これは両国間の信頼の水準を踏まえて、いまの段階でわれわれが提案できる最大限の非核化措置だ」と強調しました。

今回の米朝首脳会談は、合意事項が取りまとめられた場合、北韓が核施設の査察受け入れや凍結などの具体的な非核化措置をどこまで受け入れるのかが焦点でした。

これに対するアメリカ側の見返り策としては、連絡事務所の設置や経済制裁の一部緩和も取りざたされていました。

今回の首脳会談は、完全な非核化と新たな米朝関係の構築に向けた具体的方策について、双方の期待値に大きな溝があることを露呈する形となりました。

アメリカのポンペイオ国務長官は会見で、会談に前進はあったとしたうえで、「今後も話し合いを続ける。最終的には非常に良い結果を求めることができると思う」と述べました。

北韓の国営朝鮮中央通信も1日、金正恩委員長とトランプ大統領が非核化と米朝関係の進展に向けて、引き続き生産的な話し合いを続けることで一致したと伝えました。

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