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国民統一意識調査、北韓に反感が70%上回る

今週のキーワード2021-08-21

ⓒKBS News

韓国では北韓に対する反感が強まっていることが分かりました。

KBSが8月15日の独立記念日に合わせて行った国民統一意識調査で、北韓に反感を感じていると答えた人は全体の70%を上回り、一方で南北統一に関心があると答えた人は70%を下回り、最近3年間で最も低い割合となりました。

また、文在寅政権の対北韓政策については、否定的な認識が増えました。

反感が強まっているせいか、北韓に対する新型コロナウイルスのワクチンの支援については、韓国で集団免疫が達成された後で検討すべきだとする回答が多数を占めました。

国民統一意識調査は、全国の19歳以上の男女1628人を対象に、先月30日から5日間、インターネットでアンケート調査を行いました。

北韓に対する好感度に関する調査では、反感を感じているという回答が71.4%を占め、そのうち、「非常に反感を感じている」という回答は38.8%に上りました。

北韓に反感を感じているという回答は、ここ3年間、継続して増えています。

一方、南北統一に関する意識調査では、関心があると答えた人は67.5%で、最近3年間で最も低くなりました。

ただ、南北統一の必要性については、65.2%が必要だと答え、北韓に対して反感を感じている人が増えているにもかかわらず、3人に2人は将来的に統一が必要だと認識していることが分かりました。

文在寅政権の対北韓政策については、反対するという回答が53.1%で、昨年に続いて2年連続で反対するという回答が過半数を上回りました。

北韓へのワクチンの支援については、韓国で集団免疫が達成された後に検討すべきだという回答が67%で最も多く、支援すべきではないという回答も19.1%に上りました。

一方で、当面の懸案について話し合うために南北首脳会談を開催すべきだという回答は72.6%で、首脳同士の政治的な決断に期待を寄せている人が多いことが分かりました。

こうした調査結果は、南北関係の膠着状態が続いていることが大きく影響したとみられます。

実際に、ベトナムのハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が決裂したあと、南北関係も極度に冷え込み、膠着状態が続いています。

北韓は最近、南北当局間の通信線の再開に同意しましたが、その後、金与正党副部長は韓米合同軍事演習を強く非難する談話を発表したあと、再び通信線が遮断されるなど、関係回復の見通しは立ってません。

北韓が韓米合同軍事演習の中断を強く求めているのは、韓国国内の世論の分裂を誘発する狙いもあるとみられています。

南北当局間の通信線の再開を契機に、南北当局間の対話が再開されるのではないかとする見方もありますが、北韓は韓米合同軍事演習に強く反発しているうえに、新型コロナウイルスの影響で国境封鎖措置が続いていて、南北間の対話再開までには時間がかかりそうです。

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