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北韓が潜水艦発射弾道ミサイルを発射

今週のキーワード2021-10-23

ⓒYONHAP News

北韓は19日に潜水艦から新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射する実験を行いました。

北韓が潜水艦発射弾道ミサイルを発射したのは今回が5回目で、2019年10月に東部の元山沖から発射した「北極星3型」以来、ほぼ2年ぶりです。

北韓による過去のSLBM発射は、潜水艦ではなく、水中に設置された発射装置からだったとみられていますが、北韓のメディアは今回の発射実験について、潜水艦から発射したと強調しました。

一方、韓国は最近、潜水艦からのSLBMの発射実験に成功していて、北韓は韓国を意識して、潜水艦からの発射を強調したのではないかとみられています。

韓国軍の合同参謀本部によりますと、北韓は19日午前10時17分に東部の咸鏡南道新浦沖から東に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射し、高度はおよそ60キロ、飛行距離はおよそ590キロでした。

北韓は、ミサイルを発射した咸鏡南道新浦で、SLBMを搭載できる3200トン級の大型潜水艦を建造中です。

専門家は、ミサイルの形状などから、平壤で開催された最新兵器の展覧会で公開された小型のSLBMである可能性が高いとしています。

小型であることから、韓国や在日米軍を標的に開発したものではないかとする見方もあります。

大統領府青瓦台の徐薫(ソ・フン)国家安保室長は、国家安全保障会議常任委員会の緊急会議で、北韓が弾道ミサイルを発射したことに深い遺憾を表明し、速やかに対話に応じるよう促しました。

一方、北韓のミサイル発射を受けて国連安全保障理事会の緊急会合が開かれましたが、安保理として非難声明を出すための各国の意見のとりまとめはできませんでした。

アメリカのトーマス・グリーンフィールド国連大使は、「北韓の弾道ミサイル発射は複数の安保理決議に違反しており、容認できない」として、非難しました。

また、フランスなどヨーロッパの3カ国も声明を出し、「容認できない挑発」だと非難しました。

ただ、アメリカは安保理としての対応を主導することはせず、北韓も、「発射は自衛のためのものだ」としてアメリカをけん制するにとどまり、米朝対話再開に向けて双方が共に非難の水準を調節したものとみられます。

アメリカのトーマス・グリーンフィールド国連大使は、アメリカは北韓に対して前提条件なしの対話を提案してきたとしたうえで、アメリカは北韓を敵視していないと強調しました。しかし、一方の北韓は、自衛のためだとしてミサイル発射を繰り返していて、非核化交渉再開の目処は立っていません。

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