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南北通信連絡線、2カ月ぶりに再開

今週のキーワード2021-10-09

ⓒYONHAP News

北韓は4日午前、8月から中断していた韓国との通信連絡線を再開させました。

韓国統一部によると、4日午前9時に南北の当局者が2カ月ぶりに電話でやりとりを交わしたということです。

北韓の金正恩国務委員長は先月29日、国会にあたる最高人民会議の施政演説で、「関係回復と韓半島の平和を望む民族の念願を実現する努力の一環」として、10月初めに通信連絡線を復旧させる考えを明らかにしていました。

北韓は昨年6月、韓国政府が脱北者団体のビラ散布を黙認しているとして、南北間の通信連絡線を一方的に遮断しました。

北韓はことし7月に13カ月ぶりに通信回線を一旦復旧させましたが、夏の韓米合同軍事演習が実施されたことに強く反発、8月10日以降は再び韓国側からの連絡に応じていませんでした。

通信連絡線は、南北共同連絡事務所を通じて韓国と北韓の当局者がやりとりを交わす電話回線と、偶発的な衝突を未然に防止するための軍事用の通信線などがあります。

南北の当局者は、1日2回、午前9時と午後5時に通信回線が正常に稼働しているかを確認するやりとりを交わします。

北韓の国営朝鮮中央通信は通信連絡線の復旧に関連して、韓国政府に対して、「通信連絡線復旧の意味を深く考え、関係を整え、今後の明るい前途を開いていくために、まず行うべき重大課題の解決にむけて努力すべき」だと主張しました。

南北通信連絡線は、南北の当局者が必要な場合にいつでもやりとりできる重要な連絡手段ですが、北韓は韓国への不満を表明する手段としても活用していて、しばしば通信連絡線を遮断したり、復旧させたりを繰り返しています。

北韓が通信連絡線でやりとりを再開したのは、韓国と対話を進める用意があることを示すものと受け止められています。

金正恩委員長が通信連絡線を復旧させる考えを直接明らかにし、実際に通信連絡線でやりとりを再開したことから、近い時期に南北当局間の対話が再開されるのではないかとの期待が高まっています。

韓国統一部の関係者は、通信連絡線の復旧について、「南北関係を回復させるための基盤ができた」と評価し、「南北間の合意の履行や韓半島に平和を定着させるための実質的な対話が進むことを期待する」と述べました。

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