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北韓 新型弾道ミサイル発射

今週のキーワード2017-02-19
北韓 新型弾道ミサイル発射

北韓は12日朝、西部の平安北道亀城(クソン)付近から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射しました。
韓国軍関係者によりますと、ミサイルはおよそ500キロ飛行し、日本の防空識別圏内の日本海に落下しました。
最高高度は550キロに達したということです。
北韓の国営朝鮮中央放送は13日、12日の弾道ミサイル発射について、新型の中長距離弾道ミサイル「北極星2型」の試験発射を行い、成功したと伝えました。
朝鮮中央放送は、「北極星2型」は潜水艦発射型弾道ミサイルをベースに射程を延ばした地上発射型の新型弾道ミサイルで、既存の液体燃料ではなく、固体燃料エンジンを搭載したとしました。
固体燃料は液体燃料に比べると推進力は劣りますが、燃料を注入する時間を大幅に短縮でき、発射の兆候を事前に探知することが難しくなります。
また、北韓の労働党機関紙、労働新聞は、「北極星2型」は核弾頭を搭載でき、大気圏再突入の際に姿勢を制御することで迎撃を回避する機能もあるとしました。
韓国軍関係者は、「北極星2型」は北韓が昨年8月に試験発射した潜水艦発射型弾道ミサイル「北極星」を改良したものだとする見方を示しました。
また、今回の発射は無限軌道型の移動式発車台を利用したもので、「コールドローンチ」と呼ばれる発射の仕組みの安定性も確保したものとみられるとしました。
「コールドローンチ」は、ミサイルをガスの圧力で空中に打ち出し、発射後にエンジンに点火する発射の仕組みです。
発射後にエンジンに点火することから、エンジンの燃焼ガスによる発射機のダメージが少なく、発射機の再利用が可能になります。
国連の安全保障理事会は13日、北韓が弾道ミサイルを発射したことを受けて緊急会合を開き、北韓によるミサイル発射が過去の安保理決議に違反するとして、これを強く非難する報道機関向け声明を全会一致で発表しました。
声明では、加盟国に対して、北韓に対する制裁を確実に履行するよう求めるとともに、追加措置を取ることで一致したことも盛り込まれました。
北韓の外務省報道官は15日、国連安保理が弾道ミサイル発射を非難する報道声明を発表したことについて、弾道ミサイル発射は核開発と経済発展の並進路線を進めるための正常な行程の一環で、主権国家の自衛的権利だと強調し、声明を全面的に排撃すると反発しました。
一方、韓日米3カ国の外相会談が16日、G20外相会合が開かれたドイツのボンで開かれ、北韓の核やミサイル開発への対応で緊密に連携していくことを再確認しました。
北韓が新型弾道ミサイルの試験発射に踏み切ったのは、アメリカのトランプ政権発足後も核やミサイルの開発を進めるとの姿勢を改めて強調する狙いがあったとみられます。

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