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弾道ミサイル試験発射、北韓全域が射程内

今週のキーワード2017-04-09
 弾道ミサイル試験発射、北韓全域が射程内

韓国軍は最近、「玄武」シリーズの地対地ミサイルの試験発射を行い、成功しました。
韓国軍の関係者が6日、明らかにしました。
玄武(ヒョンム)は、韓国が独自に開発した地対地ミサイルのシリーズ名です。
韓国軍は、射程距離300キロの弾道ミサイル「玄武-2A」と射程距離500キロの「玄武-2B」、射程距離1000キロの巡航ミサイル「玄武-3」を合わせて800基余り配備しています。
2017年末までに900基をさらに生産し、合わせて1700基を配備する計画です。
韓国の弾道ミサイルは、「韓米ミサイル指針」で射程は300キロ以内、弾頭積載重量は500キログラム以下に制限されていました。
域内のミサイル拡散を阻止するための制限ですが、射程距離300キロでは休戦ライン付近から発射しても、北韓全域を攻撃することはできません。
北韓によるミサイルの脅威が高まる中、韓国側が射程距離の延長を求め、2012年に「韓米ミサイル指針」が改定され、射程距離800キロの弾道ミサイルを保有することができるようになりました。
巡航ミサイルについては射程距離の制限がありませんが、巡航ミサイルは比較的低空を、ほぼ水平に飛行することから迎撃されやすいという難点があります。
韓国軍は2012年に「韓米ミサイル指針」が改定されたあと、射程距離800キロの弾道ミサイルの開発に着手しました。
このほど試験発射を行ったのは射程距離800キロの弾道ミサイルです。
射程距離が800キロに伸びたことで、韓国南部から北韓全域を攻撃することができます。
試験発射は国防部傘下の国防科学研究所の試験場で行われ、国防部の韓民求(ハン・ミング)長官が立ち会いました。
韓国軍の関係者によりますと、発射、飛行、着弾のすべての過程で、必要な要件を充足したということです。
韓国軍はすでに数回にわたって射程距離800キロの弾道ミサイルの試験発射を行い、開発は最終段階に入っています。
韓国軍はさらに数回の試験発射を行い、最終的に信頼性を検証し、年内に実戦配備することにしています。
射程距離800キロの弾道ミサイル配備は、韓国軍の「大量反撃報復作戦」に欠かせません。
「大量反撃報復作戦」は、北韓が核兵器を使用する兆候があるとき、平壌の指揮部や核施設を先制攻撃し、破壊するという作戦です。
そのためには北韓全域を射程内に置く弾道ミサイルが欠かせません。
韓国軍が弾道ミサイルの試験発射を公開するのは異例のことです。
これは国際社会の制裁にもかかわらず核やミサイルの開発を続けている北韓に対する警告の意味もあります。
韓国軍は、北韓の核やミサイルの脅威に対抗するために「大量反撃報復作戦」をさらに強化していくとしています。

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