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戦術核の再配備 賛否両論

今週のキーワード2017-09-17
戦術核の再配備 賛否両論

韓国とアメリアで在韓米軍への戦術核兵器の再配備を求める声が高まっている中、政府系研究機関の国家安保戦略研究院が関連の報告書を出し、注目されています。
国家安保戦略研究院は最近、戦術核兵器の再配備に賛成する意見をまとめた報告書と反対意見をまとめた報告書をともに出しました。
在韓米軍に配備されていた戦術核兵器は1990年代に撤去されましたが、北韓が今月3日に6回目の核実験を行ったあと、韓国とアメリカでは戦術核兵器の再配備を求める声が高まっています。
再配備に賛成する意見を見ますと、1991年12月に合意した南北非核化宣言は北韓の核開発で事実上破棄された状態で、韓国が非核化を維持しても北韓が核開発をやめるはずはないとしています。
よって、戦術核兵器の再配備を通じて軍事力の均衡を保つことだけが、北韓による無謀な挑発を抑制できる方法だとしています。
また、戦術核兵器の再配備は、北韓に対する制裁に消極的な中国に圧力を加える効果も期待できるとしています。
反対意見を見ますと、戦術核兵器の再配備は問題の根本的な解決策にはならず、北韓の核開発をさらに加速化、正当化させる結果をもたらすと指摘しています。
また、韓半島だけでなく北東アジア地域の軍備拡張競争を招き、南北にともに核兵器があることで、平和的な統一はさらに遠のくとしています。
さらに、戦術核兵器を再配備したからといって、北韓が非核化を前提にした対話に応じるという保証はないと指摘しています。
韓国ギャラップ社が8日に発表した世論調査では、「核保有すべきだ」とする意見が60%に上りました。
こうした中で戦術核兵器の再配備を求めてきた最大野党の自由韓国党は11日、再配備を求める署名運動を始めました。
ただ、韓国政府が戦術核兵器の再配備を要請するにしても、トランプ政権が応じるとの保証はありません。
また、戦術核兵器が再配備されれば、中国の強い反発が予想されます。
中国はTHAAD=高高度迎撃ミサイルシステムの配備に伴って、韓国企業を対象に事実上の報復措置を取っています。
戦術核兵器が再配備されれば、中国の報復措置はさらに強化されるでしょう。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は14日、CNNとのインタビューで、韓国独自の核武装や韓国駐留アメリカ軍への戦術核兵器の再配備について、「南北間の平和構築を不可能にし、北東アジアでの核兵器開発競争をあおりかねない」として、否定的な考えを示しました。

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