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3回目の米朝首脳会談、可能性は

今週のキーワード2020-07-11

ⓒYONHAP News

このほど韓国を訪れたアメリカのビーガン国務副長官は北韓との対話に前向きな姿勢を示し、アメリカの大統領選挙前に3回目の米朝首脳会談が開催される可能性が取り沙汰されています。

ビーガン副長官は9日に韓国大統領府の徐薫(ソ・フン)国家安保室長と会談、米朝間の対話を再開させることが重要だとしたうえで、韓国と緊密な協力を続ける考えを強調しました。

これに先立って、8日には康京和(カン・ギョンファ)外相や趙世暎(チョ・セヨン)外務第1次官、李度勲(イ・ドフン)韓半島平和交渉本部長と会談し、北韓が非核化協議に復帰すれば、アメリカは「バランスの取れた合意」に応じる用意があるとして、柔軟な立場を取る考えを示し、「金正恩委員長が私の交渉相手に権限ある人物を指名すれば、我々に対話の準備ができていることが分かるだろう」と述べました。

また、韓国政府が模索している南北協力についても、アメリカ政府として支持すると明らかにしました。

李度勲韓半島平和交渉本部長は会談後、「早い時期に対話を再開させるための方策について協議した」とだけ述べ、3回目の米朝首脳会談については具体的に言及しませんでした。

一方、トランプ大統領はこのほど、アメリカ政府系放送局のボイス・オブ・アメリカのインタビューで、金正恩委員長と再会談することについて、「北韓が会いたがっているのは知っている」としたうえで、「非核化の進展に役立つと判断すれば会談する」と明言しました。

また、再会談が実現すれば有益だとの考えも示しました。

北韓は最近、脱北者団体が金正恩体制を批判するビラを飛ばしたことに反発、開城にある南北共同連絡事務所を爆破し、軍事行動計画を発表するなど、韓国への揺さぶりを強めています。

金正恩委員長は先月23日の労働党中央軍事委員会予備会議で軍事行動計画の保留を決定、事態は一段落しましたが、北韓は依然として強硬姿勢を保っています。

こうした中でアメリカは柔軟なメッセージを出していて、早い時期に対話が再開され、3回目の米朝首脳会談が実現する可能性が取り沙汰されていますが、その可能性は高くないとみられています。

ビーガン副長官の韓国訪問に先立って、北韓外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官とアメリカ担当局長は「アメリカと向き合う必要はない」とする談話を相次いで出しています。

またビーガン副長官が韓国を発った翌日の10日には、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長も、米朝首脳会談の年内開催を否定する談話を出しました。

一方、トランプ大統領も金正恩委員長との再会談に応じる用意があるとしたものの、「非核化の進展に役立つと判断すれば」という前提を強調しました。

トランプ大統領も再会談を急ぐ必要はないと判断しているもようです。

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