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非武装地帯での銃撃、国連軍が調査結果を発表

今週のキーワード2020-05-30

ⓒKBS News

国連軍司令部は26日、非武装地帯での北韓軍による銃撃事件についての調査結果を発表し、北韓軍と韓国軍がともに停戦協定に違反したと結論付けました。

北韓軍は今月3日午前7時41分に非武装地帯にある韓国軍の監視所に向けて発砲、銃弾4発が韓国軍監視所の外壁に撃ち込まれました。

北韓軍の銃撃に韓国軍も対応射撃を実施、北韓軍の監視所に向けて30発を発砲しました。

国連軍司令部の調査結果は、北韓軍による銃撃について明白な停戦協定違反だと結論付けました。

ただ、銃撃が意図的だったのか偶発的だったのかは、調査への北韓側の協力が得られなかったため、判断できないとしました。

国連軍司令部の調査結果は、韓国軍が警告アナウンスと対応射撃を実施したことについても停戦協定違反だとする判断を示しました。

国連軍司令部が韓国軍の対応射撃についても停戦協定違反だとしたのは、非武装地帯でのいかなる敵対行為も禁止している停戦協定第1条6項に基づく判断とみられます。

国連軍司令部の関係者は、北韓軍の銃撃と韓国軍の対応射撃は共に非武装地帯での敵対行為を禁止している停戦協定に違反していると説明しました。

そのうえで、国連軍司令部は1953年以降、韓半島の平和と安定のための任務を遂行しており、今後とも停戦協定を順守していくと語りました。

国連軍司令部の調査結果は韓国軍の立場とはやや隔たりがあり、論議を呼んでいます。

まず、北韓軍の銃撃が意図的だったか偶発的だったかについて、韓国軍とアメリカ軍は事件当時の北韓軍の動きや気象条件などから偶発的な銃撃だったとの判断を示しましたが、国連軍司令部の調査結果は意図的だったか偶発的だったかを最終的に解明することはできなかったとして判断を留保し、意図的な銃撃だった可能性を排除しませんでした。

北韓側はこの銃撃について一切コメントしていません。

また、韓国軍は北韓軍の銃撃は重火器によるものだったとしていますが、国連軍司令部は口径14.5ミリの小火器による銃撃だと判断しました。

停戦協定で重火器は非武装地帯に持ち込むことが制限されています。

韓国軍は北韓側に30発の対応射撃を実施しましたが、国連軍司令部の調査結果はこれについて、北韓軍の銃撃は4発だったのに対して過剰な対応だったと指摘しました。

しかし、韓国軍は北韓軍の銃撃に同等の対応射撃を実施するのが原則だとして、停戦協定で非武装地帯に持ち込むことが制限されている重火器による4発の銃撃に対して小火器を使用した30発の対応射撃は過剰ではないとの立場です。

国連軍司令の調査結果は、重火器か小火器の区分は排除し、対応射撃そのものが停戦協定違反だと指摘しています。

韓国政府は今回の調査結果を受け入れられないとする立場です。

韓国国防部は、該当部隊は北韓軍の銃撃に対して正規の手順に従って適切な対応措置を取ったとする立場を再確認しました。

そのうえで、国連軍司令部の調査結果は北韓軍の行動に対する実質的な調査を欠いており遺憾だとの見解を示しました。

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