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初の米朝首脳会談から1年

今週のキーワード2019-06-15

ⓒKBS News

昨年6月12日にシンガポールで開かれた初の米朝首脳会談から1年となりました。

初の米朝首脳会談から1年を迎えて、膠着している米朝協議の再開に向けた動きが活発になっています。

トランプ大統領は11日、金正恩国務委員長から書簡を受け取ったと明らかにしました。

トランプ大統領はホワイトハウスで記者団から3回目の米朝首脳会談の可能性を問われたのに対し、金正恩委員長からの書簡について言及し、「とても温かく、良い手紙だった」と強調しました。

書簡の詳しい内容には言及しませんでしたが、「私たちが非常に良い関係にあることが手紙で確認できた」としたうえで、金正恩委員長が核実験や長距離弾道ミサイル発射は行わないという約束を守っている点を評価しました。

その上で「非常に前向きなことが起こるだろう」と述べ、膠着している米朝協議の再開など、非核化交渉の前進に期待感を示しました。

金正恩委員長のトランプ大統領宛の書簡は、初の米朝首脳会談から1年の節目に合わせて届けられた可能性があるとされ、金正恩委員長から書簡が届けられたことが公開されたのは、2回目の米朝首脳会談が物別れに終わったあと初めてです。

トランプ大統領は3回目の米朝首脳会談の可能性については、「あり得る」として意欲を示しましたが、「急ぐ必要はない」とも言及しています。

ボルトン大統領補佐官も同じ日、ワシントンでの会合で3回目の首脳会談にアメリカが応じる用意があると述べました。

ただ「開催の鍵は金正恩氏が握っている」と指摘し、核放棄に向けた決断を促しました。

一方、文在寅大統領は訪問先のノルウェーで、米朝首脳は早い時期に会うべきだとしたうえで、今月末に行われる韓米首脳会談に先立って南北首脳会談が実現することを希望すると述べました。

トランプ大統領と金正恩委員長は昨年6月のシンガポールでの首脳会談で共同声明に署名しています。

共同声明では、トランプ大統領が北韓に安全の保証を与える代わりに、金正恩委員長は韓半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認したと明記しています。

また、アメリカと北韓は、両国民が平和と繁栄を切望していることに応じ、新たな米朝関係を確立すると約束し、韓半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力するという内容も含まれています。

共同声明は、アメリカと北韓が平和定着に向けて動き出したことを意味しています。

初の米朝首脳会談後、北韓は韓国戦争当時に戦死したアメリカ兵の遺骨を返還し、アメリカは韓国との合同軍事演習を縮小するなど、緊張緩和に向けた取組みを始めました。

しかし、2回目の米朝首脳会談が物別れに終わったあと、米朝協議は膠着状態に陥り、北韓は短距離ミサイルを発射、アメリカは北韓の貨物船を差し押さえるなど、神経戦が続いています。

こうした状況で金正恩国務委員長からの書簡にトランプ大統領が好意的な反応を示したことは、局面転換の何らかの契機になるのではないかという見方もあります。

今月末の韓米首脳会談の前に南北首脳会談が実現し、金正恩委員長が非核化の意思を再確認するなどすれば、それが契機になって米朝協議が再開される可能性もあり、関心が寄せられています。

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