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平壌共同宣言から1年

今週のキーワード2019-09-21

ⓒYONHAP News

平壌共同宣言から19日でちょうど1年となりました。

文在寅大統領は昨年9月18日から20日まで3日間の日程で北韓を訪問し、金正恩国務委員長と会談しました。

文在寅大統領は、金正恩委員長と二日間にわたって南北首脳会談を行い、19日には合意を盛り込んだ平壌共同宣言を発表しました。

北韓は昨年2月の平昌冬季オリンピックに金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長を団長とする高位級代表団を韓国に派遣しました。

代表団には金正恩委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏も含まれていました。

これが契機になって4月と5月に軍事境界線がある板門店で文在寅大統領と金正恩委員長による南北首脳会談が行われました。

2回の南北首脳会談が6月にシンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談につながったとされています。

文在寅大統領と金正恩委員長による3回目の南北首脳会談で発表した平壌共同宣言では、非武装地帯での敵対関係終息を韓半島の全域での戦争の危険の除去と根本的な敵対関係の解消につなげていくこと、年内に南北を結ぶ鉄道および道路を連結するための着工式を行うこと、条件が整い次第開城工業団地事業と金剛山観光事業を再開すること、離散家族のための常設面会所を早い時期に開設すること、東倉里エンジン試験場とミサイル発射台を関係国専門家らの立ち合いの下に永久的に廃棄すること、金正恩委員長が近い時期にソウルを訪問すること、などの内容が盛り込まれました。

10月には南北高位級会談が開かれ、平壌共同宣言の履行に向けて、鉄道および道路の協力、山林分野の協力、保健・医療分野の協力、東京オリンピック共同参加のためのスポーツ分野の協力、離散家族問題の解決に向けた協力など、分野別の日程に合意しました。

その後、韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官と北韓の努光鉄(ノ・グァンチョル)人民武力相が署名した軍事分野合意書に基づいて、非武装地帯にある監視所の試験撤収、板門店の共同警備区域の非武装化といった敵対関係終息に向けた具体的な措置が取られるなど、一定の進展がありましたが、他の分野についてはこれといった進展がありません。

12月には鉄道および道路連結に向けた着工式が行われましたが、南北間の対話は12月14日のスポーツ分野の会談が最後でした。

2月のベトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談が物別れに終わると、南北間の対話も事実上中断しました。

離散家族常設面会所の早期開設など、人道問題を解決するための南北赤十字会談は一度も開かれませんでした。

米朝協議が停滞し、国際社会の制裁が続く中で、南北が交流や協力を進めるのは現実的に無理があります。

北韓は韓国との対話を拒み、ことしに入ってから10回にわたって飛翔体を発射するなど、挑発を続け、緊張を高めています。

一方で北韓の国営朝鮮中央通信は16日、外務省でアメリカを担当する局長の談話を伝え、アメリカとの実務協議が数週間以内に再開されるという見通しを示しました。

今後の北韓の出方が注目されています。

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