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習近平国家主席が訪朝

今週のキーワード2019-06-22

ⓒYONHAP News

中国の習近平国家主席が20~21日まで2日間の日程で北韓を訪れました。

国家主席として習近平氏が北韓を訪問するのは初めてで、中国の最高指導者の北韓訪問は14年ぶりです。

中朝首脳がそろって観覧したマスゲームでは、人文字で「熱烈歓迎」などの文字が描かれるなど、北韓は習近平主席を文字通り熱烈に歓迎し、緊密な友好関係をアピールしました。

習近平主席と金正恩委員長は20日に平壌の錦繡山(クムスサン)迎賓館で会談しました。

中国国営新華社通信によりますと、習近平主席は会談で、北韓の非核化へ向けた努力を評価し、「国際社会は北韓とアメリカが対話を通じて有意義な成果を収めることを望んでいる。中国は韓半島の非核化と安定に積極的な役割を果たしていきたい」と述べ、この問題へ積極的に関与していく姿勢を強調しました。

一方、金正恩委員長は、「非核化に向けて多くの措置を取ったが、当事国の前向きな対応はなかった。辛抱強く待つが、当事国は歩み寄ってほしい」と語り、アメリカへの不満を表明しました。

ただ、「解決策を探るために関係国と対話を続けたい」と語り、アメリカとの対話を続ける考えを表明したということです。

習近平主席の北韓訪問は、金正恩委員長の体制を認め、中国が後ろ盾であることを確認する意味があります。

中国はアメリカとの通商交渉が、北韓は非核化協議がそれぞれ難航していて、ともに経済面で苦境に立たされています。

習近平主席は来週のG20大阪サミットの期間中にアメリカのトランプ大統領と会談する予定です。

こうした時期に習近平主席が北韓を訪問したのは、北韓への影響力を誇示し、トランプ大統領と渡り合うための交渉カードとして北韓を活用する狙いがあるとみられます。

一方の金正恩委員長としては、中国との緊密な関係をアピールすることで、非核化交渉でアメリカの譲歩を狙う意図があったと見られています。

北韓の国営朝鮮中央通信は21日、習近平主席の北韓訪問を大きく取り上げ、金正恩委員長と習近平主席が「重要問題」で見解が一致したと報じました。

朝鮮中央通信は、両首脳は両国の友好関係を推進することで合意し、主要政策のほか、国内外の問題についても意見交換したとしましたが、非核化や対米方針については触れませんでした。

このため、金委員長が習近平国家主席との会談で、米朝交渉にどのような方針を示したかに注目が集まっています。

習近平国家主席は来週大阪で開かれるG20サミットに合わせて開かれる米中首脳会談でトランプ大統領に金委員長のメッセージを伝えるものとみられます。

韓国政府は中朝首脳会談について、「非核化交渉の早期再開と韓半島の平和定着に寄与することを期待する」との立場を示しました。

中国が今後、どういった役割を果たしていくのか、そしてアメリカがそれに対してどういう反応を示すのか、韓半島問題をめぐる外交の行方に関心が寄せられています。


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