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平壌でことし3回目の南北首脳会談

今週のキーワード2018-08-19

ⓒYONHAP News

韓国と北韓は13日、板門店の北側施設「統一閣」で閣僚級会談を開き、9月に平壌で南北首脳会談を開催することで合意しました。

会談には、韓国から統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官が、北韓から祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長が首席代表として出席しました。

韓国と北韓は会談が終わったあと共同報道文を発表、双方は板門店宣言の履行状況を点検し、より積極的に合意を実行していくための方策について真摯に協議したとしたうえで、南北首脳会談を9月中に平壌で開催することで合意したことを明らかにしました。

ただ、首脳会談の詳細な日程については公表しませんでした。

閣僚級会談では、板門店宣言の履行状況についても協議しましたが、文在寅政権はアメリカとの連携を考慮し、本格的な経済協力には踏み切っていません。

北韓の対外宣伝サイトは「アメリカの制裁策動に便乗した南側の不当な対応」だと批判していて、北韓が首脳会談の日程を交渉カードに、経済協力を迫り、揺さぶりをかけた可能性もあるとされています。

詳細な日程について、韓国大統領府青瓦台の報道官は「9月初めは難しいのではないか」との見通しを示しました。

北韓では9月9日が建国記念日で、ことしは建国70年の節目の年です。

金正恩国務委員長はことしの建国記念日を「大慶事」と位置付けていて、大規模な軍事パレードなど祝賀行事を準備しているもようです。

大統領府青瓦台の報道官が「9月初めは難しいのではないか」との見方を示したのは、こうした時期に韓国の大統領が平壌を訪れるのは適切でないとの判断があったとみられます。

一方、9月下旬には国連総会が開かれますので、それ以前に南北首脳会談が開催される可能性が高いとみられます。

大統領府青瓦台の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は、「12日から13日の間に行われるだろう」という見通しを示しています。

南北はともに詳細な日程については明らかにしていませんが、北韓の建国記念日以降、国連総会以前に開催されることになる見通しです。

米朝の非核化交渉が停滞する中、南北首脳会談が非核化交渉の突破口になるのではないかとする期待が高まっています。

文在寅政権としては首脳会談を足掛かりに「仲介役」として打開を図る狙いがあるとみられます。

アメリカは北韓に対して非核化に向けた具体的な行動を求めています。

一方の北韓は終戦宣言や段階的な制裁解除を求めていますが、アメリカは北韓の具体的な行動が先だとして応じていません。

北韓とアメリカがともに何らかの形で譲歩する妥協策が必要ですが、容易なことではありません。

非核化に向けた具体的な措置がある程度進まなければ、アメリカが北韓の要求を受け入れいるのは難しいでしょう。

一方でアメリカのポンペイオ国務長官が早ければ来週にも平壌を訪れる見通しです。

統一外交安保特別補佐官の文正仁(ムン・ジョンイン)氏は、イギリスBBCに対して、「北韓とアメリカは何らかの譲歩を生み出せると考えている」としたうえで、

「非核化に向けた着実な行動をある程度実施しなくては、北韓の立場をアメリカに認めさせるのは難しくなると、われわれは北韓に伝えている」と述べました。

文在寅政権は、ポンペイオ国務長官の訪朝結果を踏まえて、金正恩国務委員長に対して非核化に向けた具体的な措置を進めるよう説得するでしょう。

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