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特使団、訪朝結果を発表

今週のキーワード2018-09-09

ⓒ YONHAP News

非核化をめぐる米朝交渉がこう着状態に陥る中、文在寅大統領の特使団が5日に日帰りで平壌を訪問しました。

特使として平壌を訪問した大統領府青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は6日の記者会見で、南北首脳会談を18~20日に平壌で開催することで合意したほか、南北関係の改善や韓半島の非核化、平和定着などについて協議したとしました。

鄭義溶国家安保室長は5日に平壌を訪問、北韓側関係者に会い、9月中に開催することにしていた文政権での3回目の南北首脳会談を18~20日に平壌で開くことで合意し、首脳会談に向けて警護、通信、報道に関する高官級協議を来週初めに板門店で行うことを決めました。

また、軍事的緊張緩和に向けた対話を継続していくことにしたほか、南北首脳会談を契機に信頼構築、武力衝突防止のための具体策についても協議を続けていくことで合意し、板門店宣言に盛り込まれた南北共同連絡事務所の設置について、首脳会談前に開所することでも一致しました。

金正恩国務委員長は特使団と会談した席で、非核化の意志を改めて強調したということです。

金委員長は会談で、「戦争の恐怖を取り除き、核兵器のない、核の脅威もない平和地帯を作ることが、われわれの確固たる立場であり、私の意志だ」と語ったということです。

また、アメリカとの非核化交渉が行き詰っているが、トランプ大統領への信頼は変わりがないと強調し、トランプ大統領の1期目の任期内に「敵対関係を清算し、関係を改善しながら非核化を実現できるといい」と語ったということです。

トランプ氏の1期目の任期は2021年1月までですが、金正恩委員長が非核化の具体的な期限について言及したのは初めてです。

金正恩委員長は終戦宣言についても言及し、終戦宣言をすれば在韓米軍が撤退しなければならないといった話があるようだが、終戦宣言は在韓米軍の撤退とは関係がないと強調し、終戦宣言は信頼関係構築に向けた「最初の段階だ」との考えを示したということです。

さらに、アメリカ側が相応の行動を取るならば、われわれはより積極的な非核化措置を進める用意があると表明したということです。

金正恩委員長のこうした発言は、韓半島の完全な非核化に対する自身の確固たる意志を再確認したものと受け止められています。

金正恩委員長は特使団に対して、非核化の意志に変わりがないことをアメリカ側に伝えてほしいと求め、今後ともアメリカとの協議を続けていくという考えを明確にしました。

金正恩委員長は特使団にトランプ大統領へのメッセージを託したということです。

アメリカは非核化の措置を優先して進めることを、北韓は体制の安全保証の一環として終戦宣言を求めていて、非核化交渉は停滞しています。

アメリカと北韓はともにこの問題で譲歩していませんが、金正恩委員長が初めて非核化の期限に言及し、アメリカ側が相応の行動を取れば、より積極的な非核化措置を進めると表明するなど、非核化に向けた意志を再確認したこともあり、何らかの形で妥協する可能性がないわけではありません。

南北首脳会談では米朝の接点を見出すための多角的な努力が進められるでしょう。

文在寅大統領の仲裁者としての役割がさらに重要になっています。

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