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北韓、核の全面廃棄か

今週のキーワード2018-05-06
北韓、核の全面廃棄か

北韓が核の全面廃棄に応じる姿勢を示していると、朝日新聞が報じました。
朝日新聞は3日付で、6月初めまでに開かれる見通しの米朝首脳会談に向けた両国の事前協議で、北韓はアメリカが求める手法による核の全面廃棄に応じる姿勢を示していると米朝関係筋が明らかにしたと報じました。
朝日新聞によりますと、北韓は核兵器の査察にも応じ、大陸間弾道ミサイルも廃棄する方針で、アメリカ中央情報局の当局者や核専門家ら3人が4月下旬から1週間余り平壌を訪問、北韓側と協議し、首脳会談の合意にこうした内容を盛り込むことにしたということです。
朝日新聞は、金正恩国務委員長は南北首脳会談でもアメリカが求めている完全かつ検証可能で不可逆的な非核化の措置を受け入れる考えを示したと指摘し、アメリカは国際原子力機関を中心とした非核化措置を進めるために、すでに国際原子力機関と調整を進めているとしました。
アメリカはかねてから「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めています。
アメリカ国務省で2日、トランプ大統領立ち会いの下、ポンペイオ国務長官が就任宣誓を行いました。
ポンペイオ国務長官は就任演説で、北韓の核問題について、「恒久的で検証可能かつ不可逆的な非核化を遅滞なく実現させる」と述べました。
また、「韓半島の歴史を転換する、本当の機会を手にしている。過去の失敗は繰り返さない。悪い取引は選択肢にない」と述べ、北韓の非核化に向けて妥協しない考えを強調しました。
ポンペイオ国務長官は演説で、廃棄または解体という表現を使いましたが、非核化の手法をより明確に示したものと受け止められています。
ポンペイオ長官は4月に極秘に北韓を訪問し、金正恩国務委員長と会談したことが明らかになっていますが、その際に金正恩委員長にもこうした方針を伝えたものとみられます。
金正恩委員長もアメリカのこうした方針を熟知しているということでしょう。
一方、北韓は北東部の豊渓里にある核実験場の閉鎖に向けて動き出しているもようです。
豊渓里の核実験場ではケーブルなどを撤去する動きが確認され、韓国とアメリカの軍当局は核実験場の閉鎖に向けた準備が始まったとみています。
韓国の情報当局筋は3日、核実験場の坑道でこれまでになかった動きがみられるとして、「南北首脳会談で合意した核実験場の閉鎖を実行するための措置の可能性が高い」としました。
北韓は今のところ完全な非核化に応じる姿勢を示しています。
米朝首脳会談で、北韓がアメリカが求める核の全面廃棄に応じれば問題は解決できます。
しかし、北韓が核の全面廃棄に応じるにしても、核廃棄に向けた期間や北韓への見返りなど、細かい部分まで米朝が一致するという保証はなく、まだ予断を許さない状況です。

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