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鉄道連結、共同実地調査に合意

今週のキーワード2018-07-01
鉄道連結、共同実地調査に合意

軍事境界線がある板門店の韓国側施設「平和の家」で26日、南北の鉄道の連結について話し合う実務協議が開かれました。
協議では、鉄道連結に向けて合同研究調査団を結成し、来月24日から共同で北韓側の鉄道の実地調査を行うことなどで合意しました。
調査の対象は、ソウルと北韓北西部を結ぶ京義線、韓半島東の海、東海側を走る東海線の北韓側の区間や連結区間です。
南北は4月の首脳会談で京義線と東海線の連結や近代化への協力で合意しました。
今回の実務協議は首脳会談の合意を履行するために開かれたものです。
まずは7月24日から京義線北韓側区間の開城-新義州間の実地調査に着手し、追って東海線北韓側区間の金剛山-豆満江間の調査も進めることになります。
途絶えている連結区間の点検も行い、駅周辺の工事や信号の設置などの整備を進めていくことにしました。
連結区間は、京義線は韓国側汶山駅から北韓側開城駅、東海線は韓国側猪津駅から北韓側金剛山駅の区間で、こちらは7月中旬から調査に着手することにしています。
北韓側の鉄道は老朽化している区間が多く、整備が欠かせない状況です。
途絶えている鉄道の連結は南北を一つに結ぶという象徴的な意味もありますが、南北にとってともに経済効果も期待できます。
文在寅大統領は昨年7月、北韓の「非核化」を前提に、南北で産業基盤を共有し、経済的繁栄を目指すとする「韓半島新経済構想」を打ち出しました。
そこには南北と中国を結ぶ韓半島西側の「環黄海経済ベルト」、南北の東側とロシアを結ぶ「環東海経済ベルト」、環境、平和、観光をテーマとして軍事境界線一帯を開発する「平和ベルト」が含まれています。
こうした構想を実現するためには南北間の鉄道の連結は欠かせません。
実際に南北の鉄道が連結されれば、中国やロシアを経てヨーロッパまで行くことができます。
ヒトとモノの往来は活発になり、物流コストの軽減などの経済効果も期待できます。
ただ、実際に南北の鉄道が連結されるまでには時間がかかりそうです。
国際社会の北韓に対する制裁が続いていて、北韓側の鉄道の整備に韓国が加わるのは難しい状況です。
鉄道協力分科会議で実地調査を行うとの合意にとどまったのもそのためです。
韓国側首席代表は会議が終わったあと、「準備や調査が大部分で、制裁違反の問題はない」と強調しました。
実際に南北間の鉄道を連結するためには、北韓側が非核化に向けた措置を誠実に進める必要があります。
28日には板門店の北韓側施設「統一閣」で、南北の道路の連結について話し合う実務協議が開かれ、南北は8月から共同調査を開始することでも合意しました。

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