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南北将官級軍事会談 JSAの非武装化などで大筋で一致

今週のキーワード2018-08-05

ⓒ KBS News

南北将官級軍事会談が先月31日、板門店の韓国側施設「平和の家」で開かれました。

南北首脳会談以後、2回目の軍事会談です。

今回の会談では、非武装地帯での共同遺骨発掘、非武装地帯の監視所の試験的撤収、板門店がある共同警備区域の非武装化などで大筋で一致しました。

韓半島は軍事境界線を境に南北に分断されています。

軍事境界線は東西248キロメートル、境界線を中心に南北に幅2キロメートルずつの非武装地帯が設定されています。

非武装地帯ではありますが、南北はここに監視所を設置、兵力を常駐させています。

非武装地帯には、韓国軍が80カ所余り、北韓軍が160カ所余りに監視所を設置していて、監視所には南北合わせて1万2000人余りの兵力が常駐しています。

至近距離で大規模な兵力が対峙しているだけに、いつでも武力衝突が起こりうる状況です。

監視所を撤収することは、非武装地帯を文字通り非武装にし、平和を定着させるための重要な措置です。

もちろん非武装地帯ですべての監視所を一挙に撤収するのは無理ですので、南北は試験的に1カ所から2カ所の監視所を撤収することで大筋一致しました。

会談では、板門店があるJSA=共同警備区域の非武装化を進めることでも大筋で一致しました。韓国政府は共同警備区域内で南北の警備兵が自由に行き来できるようにする措置も検討しているもようです。

板門店がある共同警備区域は、軍事境界線上にあるおよそ800メートル四方の区域です。

共同警備区域は韓国軍やアメリカ軍による国連軍と北韓の朝鮮人民軍が共同で警備を行っています。

共同警備区域では自衛用の拳銃だけを所持することができますが、共同警備区域の外郭には重武装した兵力が常駐しています。

共同警備区域は双方の兵力が目と鼻の先の距離で顔を合わせていて、いつでも銃撃戦が起こりえる状況です。

実際に共同警備区域では銃撃戦が発生したことがあり、1984年11月23日にソ連人観光客の亡命を阻止するために北韓側が発砲、韓国軍とアメリカ軍がこれに対抗して発砲し、北韓の兵士3人と韓国軍1人が死亡、アメリカ軍1人が負傷しました。

共同警備区域の非武装化は平和定着に向けた象徴的な意味があります。

非武装地帯の遺骨発掘は、2007年11月の南北国防相会談で合意しましたが、今のところこれといった進展はありません。

非武装地帯では韓国軍1万人余り、アメリカ軍2000人余りが戦死したと推定されていますが、遺骨の発掘は進んでおらず、放置されています。

非武装地帯での遺骨発掘は南北双方が安全を保証しなければなりませんし、地雷も多く埋設されていることもあって、遺骨発掘が進むまでには少なくない時間がかかるものとみられます。

非武装地帯での共同遺骨発掘、非武装地帯の監視所の試験的撤収、板門店がある共同警備区域の非武装化は、いずれも軍事的緊張を緩和させ、平和を定着させるために重要な措置です。

南北は今後とも具体的な履行方法などについて協議を続けることにしています。

北韓の非核化の進展が停滞していて、共同報道文は採択されませんでしたが、双方が軍事的緊張緩和や平和定着に向けた措置に大筋合意したのは、重要な成果だと指摘されています。

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