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地雷撤去作業始まる

今週のキーワード2018-10-07

ⓒYONHAP News

韓国と北韓は、先の平壌での南北首脳会談で合意した、軍事分野の緊張緩和策の「最初の措置」として、今月1日から南北軍事境界線をまたぐ板門店の共同警備区域で、地雷を撤去する作業を始めました。

韓国と北韓は、板門店一帯を10月中に非武装化することなどで合意しており、共同警備区域の地雷撤去作業は、共同警備区域の非武装化に向けた事前準備の一環です。

共同警備区域は、当初、南北の兵士が自由に行きかうことができる中立地帯で、文字どおり南北の兵士が共同で警備する区域でした。

それが1976年に共同警備区域内のポプラ並木のせん定作業をしていた韓国軍とアメリカ軍兵士を北韓軍兵士が斧で攻撃して、アメリカ軍兵士が死亡する事件が起きました。その後は共同警備区域内に南北を隔てる境界の石が設置され、双方の兵士はこの境界石を越えることはできなくなりました。

共同警備区域では南北の兵士が拳銃を所持して警備にあたっていますが、北韓軍兵士が境界線を越えて韓国側に亡命した際には北韓側が小銃で銃撃しました。

板門店宣言を実行するための軍事分野の合意書には共同警備区域の非武装化が盛り込まれていて、地雷撤去作業に合わせて、非武装化に向けた韓国軍と国連軍、北韓軍による協議が始まる見通しです。

韓国国防部は、共同警備区域の非武装化措置として、韓国軍と国連軍35人、北韓軍35人が、武器を所持せずに文字どおり共同で警備することなどを検討しているとされています。

一方、韓国北東部の江原道鉄原の非武装地帯でも地雷の撤去作業が始まりました。

この一帯は韓国戦争当時の激戦地で、最も多くの戦死者が出た場所でもあり、韓国軍200人余り、アメリカ軍やフランス軍などの国連軍300人余り、また、北韓軍と中国人民軍の遺骨も多く残されていると推定されています。

南北は、地雷撤去作業を終えたあと、年内に遺骨発掘のための道路を建設することで合意しています。

韓国国防部は、道路の建設などが順調に進めば、来年4月から南北共同で遺骨の発掘作業を始めることにしています。

地雷撤去作業は、板門店宣言履行のための軍事分野合意書にもとづく最初の措置です。

板門店の非武装化のためにも、鉄原での南北共同の遺骨発掘作業を安全に進めるためにも、地雷撤去作業が先行しなければなりません。

共同警備区域や非武装地帯での地雷撤去作業は、南北が双方の安全を保証しなければ進めることができず、南北が緊密に協議しなければなりません。

ということもあって、地雷撤去作業は南北間の軍事分野の信頼構築に大きく役立つものとみられます。

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