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試験的に撤収終えた非武装地帯を相互検証

今週のキーワード2018-12-16

ⓒYONHAP News

韓国と北韓の軍当局は12日、非武装地帯で試験的に撤去した南北の見張り所それぞれ11カ所について検証を実施しました。

韓国の検証団77人が午前中に徒歩で軍事境界線を越えて北韓側に入り、11カ所の見張り所について検証を実施、午後には北韓の検証団77人が韓国側に入って検証を実施しました。

見張り所1カ所につき7人、南北合わせて154人の軍関係者が軍事境界線を越えて相手側の地域に入ったことになります。

韓国軍の関係者は、兵力と武器の撤収、地上および地下の軍事施設の撤去を確認したほか、見張り所周辺の地下トンネルなどが破壊されたことも確認したとしました。

試験的に撤去した見張り所はすべて再使用できない状態に完全に破壊されたということです。

1953年7月の休戦協定締結後、南北の軍関係者が軍事境界線を越えて相手側の地域を相互訪問し、軍事施設についての検証を実施したのはこれが初めてです。

韓国と北韓は9月の軍事分野合意で、非武装地帯の見張り所撤去に向けて、まずは軍事境界線から1キロ以内にある南北それぞれ11カ所の見張り所を試験的に撤去することにし、見張り所を完全に破壊して相互検証を実施することにしました。

相互検証が終わったことから、見張り所11カ所の試験的撤去の過程がすべて終わりました。

検証を含めて試験的撤去が完了したことから、南北は今後、非武装地帯の実質的な非武装化に向けて、すべての見張り所の撤去について協議を進めることになります。

休戦協定は、非武装地帯に兵力を配置することを禁じていて、非武装地帯で武器を所持することも禁じています。

休戦協定を順守すれば、非武装地帯は文字通り非武装地帯になるはずでしたが、北韓は休戦協定締結後、非武装地帯に見張り所を設置、警備隊という名称の事実上の武装した兵力を配置しました。

それに対応して韓国側も見張り所を設置、兵力を配置し、結局、非武装地帯は名ばかりの非武装地帯になりました。

現在、北韓側に160カ所余り、韓国側に60カ所余りの見張り所が設置されています。

これらの見張り所を撤去することは、偶発的な武力衝突を予防するという非武装地帯の当初の趣旨を取り戻し、平和定着に向けて一歩前進することを意味します。

韓国と北韓は、見張り所の試験的撤去を経て、非武装地帯に設置されているすべての見張り所を段階的に撤去することで大筋合意しています。

今回の相互検証では、南北の軍関係者がそれぞれ相手側の地域に入って軍事施設を検証することで、軍当局間の信頼構築にも寄与したと評価されています。

見張り所の試験的撤去は、偶発的な武力衝突を予防するだけでなく、非武装地帯を文字通り非武装化し、平和地帯に変えていくための重要な前進といえるでしょう。

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