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終戦宣言

今週のキーワード2018-04-22
終戦宣言

アメリカのトランプ大統領が、南北間で終戦宣言について論議されていることを支持する考えを示したのに続いて、文在寅大統領も韓国戦争の「終戦」について言及し、関心が寄せられています。
トランプ大統領は、フロリダ州パームビーチーの別荘「マールアラーゴ」で安倍晋三首相と会談した際、終戦宣言について言及し、「多くの人たちは韓国戦争がまだ終わっていないことを知らない。韓国と北韓が終戦宣言について論議しているのは祝福すべきことだ」と述べました。
そのうえで、「韓国と北韓が韓国戦争の終戦について議論することに賛同している。議論する時が来た」と述べました。
韓国政府は27日の南北首脳会談で現在の休戦協定を終戦宣言に置き換えることを議題とする方向で調整を進めていて、トランプ大統領はこうした動きを支持したものです。
一方、大統領府青瓦台の関係者は18日、南北首脳会談で休戦協定に代わる終戦宣言が採択されるのではないかとする見方について、韓半島の恒久的な平和体制を構築する方法として終戦宣言も検討されているとしました。
また、文在寅大統領は19日、韓国メディア社長らを招いた懇談会で、「65年間続いてきた休戦体制を終息させ、平和協定の締結に進まなければならない」と述べました。
1950年6月25日に勃発した韓国戦争は、1953年7月27日にアメリカが主導する国連軍と中朝連合軍が休戦協定に署名し、休戦状態に入りました。
砲声は止みましたが、65年が経った今も戦争が終わったわけではありません。
厳密には今なお軍事境界線を境に戦争は続いていることになります。
文在寅大統領が「終戦宣言」に意欲を示したのは、戦争を終わらせることが韓半島に平和を定着させる前提だからです。
終戦についての論議は今回が初めてではありません。
1996年に韓国とアメリカが提案し、1997~99年にかけて、6回に渡って南北米中の4カ国による会談が開かれました。
北韓は当時、韓国は休戦協定の当事国ではないとして会談から排除するよう主張し、アメリカとの平和協定締結、在韓米軍の撤収などを要求、これといった成果がないまま会談は終わりました。
その後、2007年の南北首脳会談で3カ国または4カ国による終戦宣言を進めることで合意しましたが、実現しませんでした。
文在寅大統領は南北首脳会談で、終戦宣言と平和協定締結を提案するものとみられます。
北韓は非核化の条件として体制の保障を要求していますが、そのためにも終戦宣言や平和協定締結は必要です。
「戦争の終結」を宣言し、平和協定の締結につなげることができるかは、金正恩国務委員長の出方にかかっています。

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