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南北高官級会談 およそ2年ぶりに開催

今週のキーワード2018-01-14
南北高官級会談 およそ2年ぶりに開催

韓国と北韓による高官級会談が9日、軍事境界線の板門店にある韓国側施設「平和の家」で行われました。
南北高官級会談は2015年12月以来およそ2年ぶりで、昨年5月の文在寅政権発足後は初めてです。
会談には、韓国から趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官が、北韓から李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長が首席代表として出席し、およそ11時間にわたって北韓の平昌冬季オリンピック参加問題などについて協議しました。
双方は会談で、北韓の選手団の派遣、軍事当局者会談の開催、問題を対話と交渉を通じて解決していくことなどで合意しました。
北韓のオリンピック参加については、北韓が選手団のほか、応援団、芸術団などを派遣し、韓国が便宜を図ることで合意しました。
また、軍事的緊張状態を緩和し、和解と統合を図るために共同で努力していくことで一致し、現在の軍事的緊張状態を解消するための軍事当局者会談を開催することでも合意しました。
さらに、過去の南北宣言を尊重し、南北関係で提起されたすべての問題を南北が韓半島問題の当事者として対話と交渉を通じて解決していくことでも一致し、そのために様々な分野の会談も開催することで合意しました。
一方、韓国側は会談で、離散家族再会の行事を平昌オリンピックの期間中に行うことを呼びかけ、再会行事実現に向けた赤十字会談の開催を提案しましたが、北韓側は応じませんでした。
また、韓国側は核問題を議題として取り上げることを提案しましたが、北韓側は強い不満を示し、拒否しました。
北韓首席代表の李善権祖国平和統一委員会委員長は、「原爆や水爆、弾道ミサイルなど、あらゆる兵器はアメリカだけを対象としており、同胞や中国、ロシアを対象としていない」としたうえで、「核兵器は北と南の問題ではない」と語ったということです。
核問題に関する対話の相手はアメリカだけだということを強調したものと受け止められています。
ところで、文在寅大統領とトランプ大統領は10日電話で会談し、南北対話が北韓とアメリカの対話に繋がる可能性もあるという認識で一致しました。
アメリカ国務省は非核化に向けた対話が行われる場合、アメリカ政府は対話への参加に関心があるという立場を示しており、南北対話が米朝交渉に道筋をつけられるかどうかに関心が集まっています。
オリンピック参加に向けた事前調査のための北韓の先遣隊の派遣や軍事当局者会談の開催についての実務レベルの協議など、今後とも南北間の接触が続くものと見られます。
韓国はその過程で、離散家族再会行事実現に向けた赤十字会談の開催なども呼びかけていくことにしています。
一方、今回の南北高官級会談については、北韓の狙いはオリンピック参加ではなく韓米同盟にくさびを入れることだとする批判的な意見もあり、北韓の真意を探ることが何よりも重要だとの指摘が出ています。

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