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4月27日に南北首脳会談 成果はどうなるか

今週のキーワード2018-04-01
4月27日に南北首脳会談 成果はどうなるか

韓国と北韓は3月29日、軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)の北側施設「統一閣」で高位級会談を開き、文在寅大統領と金正恩労働党委員長による初めての首脳会談を4月27日に開催することで合意しました。
高位級会談には、韓国から趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官をはじめ、千海成(チョン・ヘソン)次官、大統領府青瓦台の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官の3人が、北韓からは祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長をはじめ、田鍾秀(チョン・ジョンス)副委員長、金命一(キム・ミョンイル)部長の3人がそれぞれ出席しました。
南北首脳会談は2000年6月の金大中(キム・デジュン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長による会談と2007年10月の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日国防委員長による会談以来で、今回が3回目となります。
今回の高位級会談では、首脳会談の議題を協議したほか、今月4日に板門店の南側施設「平和の家」で警備や報道に関する実務者レベルの協議を行うことでも合意したということです。
首脳会談の議題については、韓国側は韓半島の非核化、平和の定着、南北関係発展の三つを主要議題としたいとの方針ですが、今回の高位級会談では合意しなかったということです。
大統領府青瓦台の関係者は、「三つの議題について北韓側は異議を唱えなかった」としましたが、北韓側は「重要な議題は金正恩労働党委員長が決定すべきことで、実務者レベルで論議する性格ではない」という立場を示し、協議を回避したということです。
韓国側首席代表の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官はこれについて、「議題について十分に意見を交わした」としたうえで、「必要ならば4月中にさらなる高位級会談を開いて協議していくことで一致した」と述べました。
文在寅大統領は先月初め北韓に特使団を派遣し、その際に南北は4月末に板門店の南側施設「平和の家」で首脳会談を開催することで合意しました。
これにもとづいて今回の高位級会談では具体的な日程が決まったものです。
北韓側が議題についての協議を回避し、具体的な議題については合意できませんでしたが、いずれにしても3回目の南北首脳会談が実現する見通しとなりました。
問題は首脳会談でどういった成果を出せるかです。
韓国側は韓半島の非核化、平和定着、南北関係発展の三つを主要議題としたいとの方針ですが、中でも「非核化」が中心となるでしょう。
平和の定着や南北関係の発展は非核化が前提ですので、「非核化」が主要議題になるのは避けられません、
金正恩委員長は習近平主席と会談した席で韓半島の非核化に向けた決意を表明したということですが、北韓は「段階的で同時並行の措置」を求めています。
これは段階的に非核化を進め、それぞれの段階に合わせて見返りを提供するという方式です。
一方のアメリカはまずは非核化を進め、非核化のあとでそれに伴う見返りを提供するという立場です。
ホワイトハウスの国家安全保障担当大統領補佐官に「悪魔の化身」とも呼ばれる元国連大使のジョン・ボルトン氏が内定するなど、トランプ政権の外交・安全保障チームはタカ派が前面に布陣していて、アメリカが北韓の要求を簡単に受け入れるとは思えません。
南北首脳会談は、非核化について金正恩委員長の真意を探る重要な機会になるでしょう。

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