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北韓が6回目の核実験

今週のキーワード2017-09-10
北韓が6回目の核実験

北韓が6回目の核実験を行いました。
韓国気象庁は3日、午後12時29分ごろに北韓北東部の咸鏡北道吉州郡豊渓里付近でマグニチュード5.7の地震が発生したと発表、観測された地震波は核実験で発生した可能性があるとしました。
豊渓里には北韓の核実験場があります。
北韓の国営朝鮮中央テレビは午後3時半に「重大報道」を伝え、北東部の核実験場で6回目の核実験を行ったことを明らかにしました。
この中で「大陸間弾道ミサイルに搭載するための水素爆弾の爆発実験を行い、成功した。実験はこれまでになく大きい威力で行われた。実験は完全な成功で、核弾頭は高度に精密化され、動作の信頼性が得られたことで、核武力完成を達成する意義ある契機になった」としました。
爆発の規模はこれまでになく大きいものでした。
韓国軍は今回の核実験の爆発の規模をおよそ50キロトンと推定しています。
TNT火薬に換算しておよそ5万トンの規模です。
北韓はこれまで6回にわたって核実験を行いました。
金正恩労働党委員長の体制になってからは4回目です。
北韓は2006年10月に1回目の核実験を行いました。
1回目の核実験の地震はマグニチュード3.9、爆発の規模はおよそ1キロトンでした。
2009年5月の2回目の核実験の爆発の規模は2~4キロトンと推定されています。
3回目の核実験は金正恩労働党委員長の体制になった2013年2月に行われましたが、爆発の規模は6~7キロトンに大きくなりました。
2016年1月には4回目の核実験を行いました。
爆発の規模は3回目と大きく変わりませんでしたが、北韓は水素爆弾の爆発実験が成功したと主張しました。
同じ年の9月には5回目の核実験を行い、爆発の規模は10キロトンに大きくなりました。
6回目の核実験の爆発の規模は50キロトンと推定されていますが、これは4回目の核実験のおよそ12倍、5回目の核実験の5~6倍に相当します。
回を重ねるたびに爆発の規模は大きくなっています。
6回目の核実験を受けて、文在寅大統領は4日、アメリカのトランプ大統領と電話で会談しました。
両首脳は、北韓に対してさらに強力な圧力と制裁を加えていくとの認識で一致しました。
また、北韓の挑発行為に対して抑止力を強化することでも一致し、韓国軍が保有する弾道ミサイルの弾頭の重量制限を解除することでも合意しました。
文在寅大統領はまた、7日にロシアのウラジオストクで日本の安倍首相と会談し、北韓への原油供給の中止などを含めた新しい国連安全保障理事会決議の採択に向け、緊密に連携していくことで一致しました。
一方、国連安全保障理事会の緊急会合が4日に開かれ、北韓に対する制裁を強化する新たな決議の採択に向けて論議が始まりました。
アメリカと日本は原油の禁輸措置を含む「最強の制裁措置」を主張していますが、中国とロシアは対話の重要性を強調、制裁強化に消極的で、今後の動きが注目されます。

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