アメリカが北韓の貨物船を差し押さえた問題で、北韓の金星（キム・ソン）国連大使が現地時間の21日、ニューヨークにある国連本部で記者会見を開き、貨物船をただちに返還するよう求めました。
記者会見は15分間行われ、そのなかで金大使は、「アメリカが北韓の船を不法に占有したのは明確な国際法違反であり、アメリカの行為は北韓の主権を侵害するものだ」と主張しました。
金大使は先週、国連のグテーレス事務総長宛に書簡を送り、アメリカの行為を非難しています。
北韓のこうした動きは、貨物船の返還を求める一方、北韓への制裁は不当だという世論を形成するためのものとみられます。
北韓の国連大使が、国連本部で記者会見を開くのは極めて異例です。金大使は記者団の質問にも答えましたが、アメリカの大学生、オットー・ワームビア氏が北韓に拘束され、帰国直後に死亡した事件などデリケートな質問が続くと、回答を避け、アメリカの反応を見守るという立場の表明を繰り返しました。
一方、国連は、北韓が提起した今回の問題について、「安保理決議の履行に関するもので、安保理理事国が取り上げるべき問題だ」という立場を示しています。

[Photo : YONHAP News]