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文大統領 スウェーデンの非核化をモデルに

ニュース2019-06-14
文大統領 スウェーデンの非核化をモデルに

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は韓国時間の14日午後、スウェーデン議会で「韓半島の非核化や平和に向けた信頼」と題して演説を行い、スウェーデンの非核化の事例を踏まえた北韓の非核化の構想を打ち出すとみられます。
地理的にソ連に近いスウェーデンは、深刻な安全保障の脅威にさらされていたため、冷戦が始まった1950年代に独自の核兵器の保有を検討していた国でした。
1957年当時、スウェーデン国防省は7年以内に核兵器の保有能力を備えると宣言し、翌年には各政党の代表が集まって、核兵器開発に可能性を残しておくことを決めました。
しかし、1959年、スウェーデン政府は核開発を見送ることを最終的に決めました。軍当局からは、戦術核の保有を求める声が出ましたが、スウェーデン政府は1968年、核兵器の保有は安全保障に役立たないという認識を示しました。
スウェーデン政府は同じ年にNPT=核拡散防止条約に署名し、1970年に批准することで、公式に核兵器を持たない国となりました。
スウェーデンが非核化を決めたのは、極端な軍備競争は国の安全保障に役立たないと判断したためです。
核兵器を保有した場合、ソ連のような国の第1のターゲットになりかねないほか、西ドイツなどヨーロッパの国々が連鎖的に核兵器を保有する可能性もありました。
文大統領の演説も、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が非核化を選択しない場合、北東アジアの安全保障のリスクが高まり、北韓の体制保障にも役立たないという趣旨で主張が展開されるものとみられます。

[Photo : YONHAP News]

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