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金委員長、撤去指示 金剛山観光地区の韓国側施設

ニュース2019-10-23

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、南北協力の象徴でもある「金剛山観光」を進めた先代の政策を強く批判し、金剛山にある韓国側の観光施設を撤去するよう指示したと北韓メディアが伝えました。
労働新聞や朝鮮中央通信などが23日、報じたところによりますと、金委員長は、高城(コソン)港や海剛山ホテルなど韓国が建設した施設を含む金剛山観光地区を視察し、「北韓の観光地を提供し、たやすく利益を得ようとした間違った政策で金剛山が10年あまり放置された」として、先代の政策を韓国に依存する政策だと強く批判したということです。
金剛山観光は、金正日(キム・ジョンイル)政権が韓国の現代グループとともに進めた代表的な南北の経済協力事業ですが、2008年に韓国人観光客が北韓の兵士に射殺される事件が起きて以降中断され、北韓側は再開を強く求めていました。
金委員長は、「見るだけで気分が悪くなる韓国側施設を韓国側との合意のもとすべて撤去し、北韓の方式で現代的な施設を新たに建設すべきだ。金剛山が南北の共有物で、南北関係の象徴のように思われ、南北関係が発展しないと金剛山観光もできないようになっているのは間違った認識だ」と指摘しました。
また「世界的な観光地になった金剛山に韓国の同胞が訪れたいのなら、いつでも歓迎するが、韓国側を前面に出して観光事業を進めるのは望ましくないという認識を北韓は持つ必要がある」と強調しました。
金委員長は去年の新年のあいさつで、開城工業団地の操業と金剛山観光事業を条件なしで再開する用意があるとし、去年9月に平壌で行われた南北首脳会議では、条件が整い次第早急に再開すると明らかにしていました。
こうしたことから、去年9月の南北首脳会談で合意した金剛山観光事業の再開を韓国がいまだに履行していないことへの不満をあらわにしたものとみられています。

[Photo : YONHAP News]

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