北韓 韓国が公開した「北韓人権白書」に強く反発
政府系のシンクタンク・統一研究院がこのほど「北韓人権白書2020」を公開し、北韓では恣意的かつ頻繁な死刑執行が続いていると指摘したことについて、北韓は15日、2014年4月に起きたセウォル号沈没事故や1980年の5.18光州民主化運動に触れ、韓国は北韓の人権問題を非難する資格がないと批判しました。
北韓の対外宣伝メディア「わが民族同士」は15日、論評を出し、統一研究院が11日に公開した「北韓人権白書2020」について、「我が国に対する重大な政治的挑発であり、同族間に不信と反目を生じさせ、南北関係を破局へと追い込もうとする妄動だ」と強く批判しました。
そのうえで、「ありもしないことをでっちあげて非難する前に、5.18光州民主化運動の犠牲者やセウォル号の遺族の胸に突き刺さった恨みを晴らしてあげられない自らの無能さと情けない人権の実態を顧み、恥を感じるべきだ」としています。
宣伝メディアによるこうした激しい批判は、北韓が、人権の実態に対する国際社会の問題提起を、体制を転覆させるための試みで、北韓に対する敵対政策の要ととらえていることが背景にあります。
統一研究院は11日、ホームページで「北韓人権白書2020」を公開し、北韓では恣意(しい)的な死刑適用が続くなど、住民の人権が依然として守られていない状況にあると指摘しました。
[Photo : YONHAP News]