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ボルトン氏の回顧録 米朝首脳会談の舞台裏などめぐり韓国でも波紋

ニュース2020-06-22

近く出版予定のアメリカのボルトン前大統領補佐官の回顧録には、去年2月に物別れに終わったベトナム・ハノイでの米朝首脳会談の舞台裏が詳しく描かれていることがわかりました。
KBSが入手した回顧録の内容によりますと、アメリカのトランプ大統領は、2回目の米朝首脳会談で北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対して寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄のほかに提案するものがあるかと聞き、部分的な制裁の緩和も示唆したということです。
これに対して、金委員長は提案を受け入れず、代わりに寧辺の核施設の価値について長々と説明したとしています。
トランプ大統領はICBM=大陸間弾道ミサイルを含むことができるかについても聞きましたが、同席していたボルトン氏は、核兵器だけでなく、生物化学兵器などすべてが含まれるべきだとする見解を示しました。
すると、金委員長は段階的交渉を求め、体制保障のための法的処置がないと不満を示したということです。
ボルトン氏は、「金委員長がトランプ大統領の感情を巧みに活用した」として、交渉を妥結したい考えを示したと評価しました。
ボルトン氏は、「ハノイでの首脳会談が妥結していれば、アメリカには災いになっただろう。会談の決裂を望み、そうなって安堵した」という本音も明かしました。
また米朝首脳会談を進展させようとした韓国政府、なかでも文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対して不満をあらわにし、「行動対行動」という北韓の主張に沿った考えを示す文大統領を米朝交渉から外すべきだと主張しました。
一方、当時北韓との交渉を担当した大統領府青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は22日、この回顧録について「南北とアメリカの首脳間の協議内容について相当部分、歪曲しているうえ、交渉の信義を損ねる恐れがある。ボルトン氏の観点からみたものであり、正確な事実を反映していない」と批判し、アメリカ政府が適切な措置を取ることを期待すると述べました。
しかし、これは青瓦台としての公式の見解ではなく、当時の交渉パートナーだった国家安保室長としての見解にとどめたということです。

[Photo : KBS]

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