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「指導」の表現、党幹部にも容認 北韓労働新聞

ニュース2020-09-02
「指導」の表現、党幹部にも容認 北韓労働新聞

北韓労働党の機関紙、労働新聞が、党の幹部らがさきの台風8号の被災地を視察したという記事と写真を1面に掲載し、これまで最高指導者に対してだけ使っていた「指導」という表現を、党幹部にも使い、その背景に関心が集まっています。
労働新聞は1日、李炳哲(リ・ビョンチョル)党副委員長をはじめとする党の幹部らが、台風8号で被災した南西部の黄海南道(ファンヘナムド)を視察し、台風の復旧作業を指導したと報じました。
北韓が、最高指導者ではない党幹部らの行動について「指導」という表現を使ったのは異例のことで、この日の労働新聞の1面トップに、党の幹部らが被災地を視察した記事を、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の記事よりも上に、大きく配置したということです。
通常、労働新聞の1面トップには、最高指導者の金正恩委員長の公開された活動や党全体の指針を伝える論説などが掲載されます。
これについて専門家らは、「北韓では『指導』という表現は、安易に使うことができない。最高指導者が行う統治行為の一つが『現地指導』だが、この表現を幹部たちにも使ったのは異例だ」としています。
そして金正恩委員長の絶対権力は維持しながらも、側近の幹部たちが担当している分野についても、かなりの自律性を与え、自らの決定に責任を取らせる、いわゆる「委任統治」が進んでいることが分かると分析しています。
これについて韓国統一部は、「金正恩委員長による台風8号の被災地復旧を強調したためと思われる。労働新聞の変化については、もう少し状況を見守る必要がある」としています。

[Photo : YONHAP News]

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