「対北韓政策はオバマ前政権に回帰しないだろう」韓国外相
アメリカ大統領選挙で民主党のバイデン氏が勝利宣言した直後にアメリカを訪れている康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、現地時間の8日、政権が交代しても、北韓に対してオバマ前政権が取っていた「戦略的忍耐」政策には回帰しないだろうという見解を示しました。
「戦略的忍耐」政策は、北韓に対して国連安全保障理事会の制裁など経済的圧力を加え続けながら、体制の崩壊を待つというものですが、北韓が4回目の核実験を行った直後の2016年1月には、民主党内からも「この政策によって、北韓はむしろ核やミサイル開発の時間稼ぎができた」とする批判が出ていました。
康長官は現地時間の8日、ワシントン市内にある韓国戦争戦没者慰霊碑に献花した後、記者団に対して、「バイデン政権が発足しても、『戦略的忍耐』政策には回帰しないだろう」という見解を示しました。
康長官はバイデン氏側の要人と接触すると話しましたが、具体的に誰と何について話し合うかは明らかにしませんでした。
いまのトランプ政権の要人と会談することを意識して慎重な姿勢をみせたものとみられます。
康長官は、終戦宣言や首脳間のトップダウン外交など、北韓に対するトランプ政権の外交基調が続くかについては、慎重な姿勢を見せましたが、韓国政府として引き続き非核化に向けた役割を果たしていく方針を明確にしました。
康長官は、先月韓国訪問が延期となったポンペイオ国務長官の招きで8日から4日間の日程でアメリカを訪れていて、9日には、外相会談を行います。
会談では、韓米両国の懸案が議論される見通しですが、政権の交代期にあたるため、具体的な成果を得るには限界があるとみられます。
今回の訪問には、外交部の李度勲(イ・ドフン)韓半島平和交渉本部長も同行していて、李本部長は、ビーガン国務副長官と会談し、アメリカの政権交代期に韓半島情勢をどう管理するかについて集中的に議論するものと見られます。
[Photo : KBS News]
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