アメリカ・ホワイトハウスのオブライエン大統領補佐官は現地時間の７日、北韓による石炭の密輸を黙認し、ほう助しているとして中国を強く批判し、密輸に関わったとされる中国企業などに対し独自に制裁を科すことを明らかにしました。
アメリカ財務省は８日、国連の制裁決議に違反して北韓による石炭の密輸に関わったとして、中国やベトナム、香港にある６つの企業にアメリカの独自制裁を科すと発表しました。
これに先立ち、アメリカのメディアでは、北韓と中国が石炭の密輸を行っている衛星写真などを公開したうえで、中国が公然と石炭の取り引きを行っていると報じています。
ただ、今回のアメリカの制裁措置は、北韓よりも中国などに与える影響が大きいとみられます。
今回、アメリカの独自制裁の対象となった北韓のテジン貿易会社は、北韓の労働党が保有する多数の貿易会社の一つとされていてるため、この会社に制裁が科されても、北韓はほかの会社を通じて密輸を続けられます。
しかし、中国やベトナム、香港にある６つ会社は、国際金融システムへのアクセスが事実上遮断されるため、大きな打撃を受けることになります。
こうした理由から、今回の制裁措置は、中国政府に圧力を加える狙いが大きいとの見方も出ています。
また、北韓の密輸を黙認しているとして中国を批判するアメリカ政府高官の発言が今月に入って相次いでおり、バイデン次期政権への移行手続きが完了するまで、トランプ政権による北韓と中国への圧迫はさらに強まるとの分析も出ています。

[Photo : KBS News]