北韓へのビラ散布禁止盛り込んだ法律の改正案 本会議で可決
北韓へのビラ散布の禁止などを盛り込んだ「南北関係発展に関する法律」の改正案をめぐって、国会での採決を阻止するための野党「国民の力」の抵抗が続いていましたが、改正案は15日の本会議で賛成多数で可決されました。
「南北関係発展に関する法律」の改正案は、北韓へのビラ散布など南北合意書に違反する行為を行った場合、3年以下の懲役、または3000万ウォン以下の罰金を課すことができるという内容が盛り込まれています。
国会では、この法案に反対する「国民の力」の主導で、長時間にわたる演説を続けて採決を阻止する、いわゆるフィリバスターによる議事引き延ばし戦術が続いていましたが、14日夜の本会議で、フィリバスターの強制終了動議が議決に必要な180議席を上回る187人議席の賛成で可決され、フィリバスターは終了しました。
そして翌15日の本会議で「南北関係発展に関する法律」の改正案が成立しました。
「国民の力」の議員らは、この法律が、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長による住民の人権弾圧のための命令のようなものだとして、反対する立場を示していました。
これに対して与党「共に民主党」は、前の政権でも北韓へのビラ散布を禁じたことがあったとして、軍事境界線付近に住む住民の安全を守るための法律であることを強調しています。
「国民の力」は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に失敗した政府が責任を野党に押し付けようとしてるとして、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の謝罪と、ワクチンの早期確保を確実にするよう政府に迫りました。
★2020年12月24日修正
[Photo : YONHAP News]